第3話 女体実験
「ここから先は診療じゃなくて個人的な臨床実験、だから私のことは、先生じゃなくって名前で呼んでね」
週末の土曜日、私は念入りにシャワーを浴び、裸の上に白衣を羽織って彼の訪問を待った。
約束の時間通り来訪した淳史≪あつし≫くんをリビングに通すと、私は早速質問をした。
「どう? 私の周りに何か見えるかな?」
「うっすらとですが、オーラが見えてます、せんせ、、、遥≪はるか≫さん」
BINGO! 私の仮説はどうやら当たっているようだ。
「遥さんって、休みの日も白衣で過ごしているんですか」
「ううん、そんなわけないじゃない。これはね、コスプレというか、これから始めるお医者さんごっ、、臨床実験用よ」
さあ、人体実験のはじまりだ。
私は躊躇≪ためら≫う気持ちを振り払うと、ソファに腰掛ける淳史くんの前に、少し前かがみの膝立ちの姿勢を取った。
白衣の下はあえて何も身につけていない。ボタンもわざと上から二つ外してある。
彼がこわばった表情でごくりと息をのんだ。彼の目線からは、私の乳房が、いや、もしかするともっと下の方まで? 見えてしまっているかもしれない。
「いい? これは大事な実験なんだから、絶対逃げたり動いたりしちゃダメよ。約束できる?」
戸惑いながらも無言で頷く淳史くんのジーンズのボタンを外し、ジッパーを引き下げ、腿のあたりまで一気に引き下した。
私は、唖然としながらも約束を守ってじっとしている彼の腿に跨≪またが≫り、唇を奪った。
彼の太ももの感触を股間に直に感じながら、トランクスの布地越しに彼のものを握ると、それは私の手のひらの中で大きく、硬くなった。
彼の若いカラダと触れあい、私は、徐々に私の身体の芯が熱くなってくるのを感じていた。
私は、今、自分がどう見えているかを淳史くんに尋ねた。
「ピンク色のオーラが、はっきり見えます!」
とりあえず実験終了、私は呆然とソファに腰掛ける淳史くんが衣服を整えるのを待って、非礼を詫び、自分の仮説を語って聞かせた。
動物が交接の促進を目的として異性を引き寄せるために発するフェロモンという物質がある。にわかには信じがたい話ではあるが、淳史は病気なのではなくて、ヒトの女性がやりたい時に発するフェロモンが見えるのだと考えれば、話のつじつまがあう。
痴漢冤罪事件がきっかけで突然その力が覚醒したのではないか。
「ところで、私のオーラ、今どうなってるかな?」
「すごく濃いのが見えてます、遥さん」
「どうする? 最後まで、しちゃう?」
私は、大きく首を縦に振る彼をベッドルームに誘った。
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