第9話 日本側 ⑤

スコアが13-13となった瞬間、佐々木涼子はタイムを要求した。コートに立つ日本チームの選手たちは、監督の元へと集まった。監督の山本健一が真剣な表情で選手たちを見渡し、指示を飛ばす。


「みんな、よくやっている。でも、ここからが本当の勝負だ。」山本監督の声には緊張感が溢れていた。


涼子が息を整えながら聞き入る。「はい、監督。」


「アリシア・ジョンソンのスパイクは強力だが、ブロックで対応できる。香織、次のポイントではしっかりブロックを意識して。」監督が鈴木香織に目を向ける。


「わかりました。全力で止めます。」香織は力強く頷いた。


「美奈、ディフェンスの位置取りをもう少し前にして、彼女のスパイクを受けやすくするんだ。リカ、次の攻撃では冷静に相手のブロックを見極めて打ち込むことを忘れないで。」監督はリベロの山田美奈と宮崎梨花にも具体的な指示を与える。


「はい、監督!」美奈と梨花は一斉に答えた。


山本監督は一息ついてから続けた。「最後に、チーム全体としての動きをもう一度確認する。焦らず、自分たちのリズムを取り戻していこう。みんなの力を合わせれば、必ず勝てる!」


涼子が再び声を上げた。「みんな、監督の言う通りだ。私たちは一つのチームだ。次のポイントを全力で取りに行こう!」


選手たちは全員が力強く頷き、一体感がさらに高まった。タイムアウトが終わり、コートに戻る時、涼子はチーム全体に向けて最後の激励を送った。


「私たちの力を信じて、全力で戦おう!」

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