いけいけ勇者様82

最上司叉

第1話

【キィィィン】


【ブォン】


【キィィィン】


【ブォン】


「貴様なかなかやるな!」


「それはどうも!」


「ところで貴様の仲間はどこに行った?!」


「さぁな!」


勇者とあの方は戦いながら会話をしていたその時どこかからすごい音が聞こえてきた。


【ガシャァァン】


2人の動きが止まる。


「なんだ?」


「…」


勇者は何も答えない。


「?…ハッ!貴様まさか!」


勇者の仲間たちは国王を連れて無事逃げ出した。


「くくく…これは愉快」


あの方がそう言った瞬間外から戦闘音が聞こえてきた。


「?!」


「くくく…この俺を欺いたつもりか」


「…!」


【キィィィン】


「残念だったな!」


【ブォン】


あの方の切っ先が勇者の頬を掠めた。


勇者の頬を血が伝う。


「何故だ…何故こんなことをする!」


「それはお前がいるからだ!」


「!!」


勇者は自分のせいでこの街が襲われたと知り落胆した。


「何故だ…俺たちは何も…」


「くくく…何もしてないだと?笑わせるな!」


「…?」


「分からないといった顔だな!ならば教えてやる!貴様のせいで他の国がおかしくなり始めたからだ!」


「?!」


「賞金首の討伐、他国の内乱への介入、他にもいろいろ全部貴様のせいだ!」


「…!」


「何を黙っている!」


「俺は…俺たちは…ただ…」


「ふんっ!人助けだとでも言いたそうだな!その結果どうなった!」


「…?」


「また分からないといった顔か、貴様が助けた国が他国に侵攻したのだ!」


「!何だって!あの二人組がまさか…!」


「くくく…無知とは恐ろしいな!」


「…」


その時誰かの声が聞こえてきた。


「勇者様気にすることありません!勇者様は素晴らしい人です!だから自信を持って!」


「?」


「小癪な!そこか!」


【ブォン】


あの方の剣を投げつけた方向から魔法障壁が展開した。


「…ハア!」


【ズドドド】


魔法があの方に向かって飛んでくる。


「小癪な!」


【ザシャッ】


魔法障壁が展開していた場所の壁が崩れ魔法使いが姿を現した。


魔法使いはあの方に腕を切られている。


「貴様覚悟しろ!トドメだ!」


勇者は思うより前に身体が動いた。


【キィィィン】


「!」


勇者は魔法使いに向かって行ったあの方をとめた。


「くくく…いいだろうまず貴様からだ!」


戦いはまだ終わらない。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

いけいけ勇者様82 最上司叉 @moemee

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

同じコレクションの次の小説