第34話 ある宗教団体の施設から回収されたメモ

1978 成功 


1987 失敗 血が不足


1993 失敗 暴動が発生


1994 失敗 血が不足


1997 失敗 異教徒の介入により中断


2000 失敗 一時的には開くことに成功





 以上の例から、ある程度の条件を絞り込むことに成功した。以下に記す。





・最低でも300人程度の血が必要。

・恐らく、異教徒の血では効果はない。信心深い者が自らの意思で命を絶つ必要がある。

・パターン6の例により、事前に素質を備えた使者を送るのは有効だと思われる。この場合は異教徒の血も対象に含まれる。

・扉の代用の妊婦はやはり人間が好ましい。妊娠33週目以降の者にすべし。

・厄年に入るため、十数年は儀式の実行は不可能。


 これらの条件を考慮すると、七度目の儀式は入念な下準備を整えて挑む必要があるだろう。ある程度のメディアに対する情報統制は可能だが、外部に我々の計画が流出する可能性は十分にあり得る。大々的な活動は控え、小規模の集団を建設するのが賢明と言える。


 土地に関しても選定する必要がある。儀式後は処理部隊が十分後には到着するように待機しているが、漏洩を遅らせる意味も兼ねて、外部の空間と隔てる山が最適だと考えられる。


 自決の方法に関しては毒杯が効率的だろう。旅路に備えて、信者たちには半年に一回は訓練をするように指導するべし。しかし、パターン3のように、信仰心が足りない者たちが反乱を起こす可能性もある。そのため、施設内には鎮圧用の銃火器を用意し、脱走者は処分するように。


 また、パターン5を踏まえ、儀式の妨害を企てる異教徒にも備える必要がある。情報漏洩は決して許してはならない。グループ内にそれらしき人物発見した場合は即座に一族の監禁、拷問、殺害を実行し、情報を吐かせ、報復をするように。


 12歳以下の若い血は成人と比較して、数倍分の効果があることは証明されている。よって、勧誘する際には家庭を持っている者を優先し、信者同士の婚姻を勧めることで、積極的に若い血を増やすように。状況によっては近親相姦も候補に入る。


 使者は最低でも司祭3人以上の選定を通過し、素質があると認められた者を送る。その際はお父様から授けられた力を用いることで、自然死だと判断されるだろう。物理的な武力行使は証拠が残るので、最終手段とする。


 七度目の儀式が成功した場合、ようやく、我々は次の段階へと移行する。真のお父様とお母様のためにも、必ず成功させなければならない。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ヤンデレvs悪霊 海凪 @uminagi14

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ