石の勇者 スキル《石》で大概は楽勝です?

@Evi36

第1話

「ママ見て!あのお兄ちゃんまた石拾ってるよ!楽しいのかな?お友達いないのかな?」


「指差さない!目を合わせちゃ駄目!行くわよ!」


くっ・・・子供の純粋な言葉は時に心を抉るな

てか、お母さんも酷くない?

趣味で石拾ってるだけなんですけど!!

河原での石拾いはライフワークなんですけど!!



「おっ!?」

何の石だ?真ん丸で玉虫色?、人工物にも見えるけど何か違うな・・・

コレクターの勘が凄い石だと言っている!

レア物ゲット!やったぜ!




結構いい時間だし今日は切り上げるかな


「おーい!投也!また石拾ってるのか?」


「ん?太郎か、部活終わり?」


「まぁな、誰かさんが居なくなった分も頑張らないと甲子園も厳しいからな」


「・・・悪かったな」


「責めてるつもりは無いから!俺の言い方が悪かった、すまん!それより戻って来ないか?怪我の後、練習もしてたし、結構良い感じだっただろ?」


「気持ちは嬉しいけど、野球は辞めたんだ。確かに利き手と逆で出来るか練習はしたけど、あれじゃあ駄目だ、エースとは言えない・・・」


「そっか、3年だから時間は無いけど気が変わったら来いよ!練習だけでも良いからさ!皆待ってるから!」


「気が向いたらな、じゃあな」






「あれじゃあ駄目って、十分通用するレベルだったけどな、投也お前は野球に真面目過ぎるわ」







久々に太郎と話したな

あの怪我が無ければ、野球続けてだろうな




まぁ、気持ち切り替えよう



「ただいま」

誰もいないんだけどね


両親は小さい頃に登山中に行方不明

爺ちゃんは元気だったけど、入院先で先月ぽっくり逝ってしまった


爺ちゃんには感謝しかない

両親が居ないなか、男手ひとつで育ててくれた

何より宝石商だった爺ちゃんの影響で石好きになったしね!

コレクションも引き継いだし!


「にぁ〜う」

前言撤回、居ました家族


「ミケただいま」

ミケはオスの激レア三毛猫

あれ?ミケって何歳だ?爺ちゃんが昔からの相棒って言ってたよな?


「ミケ、君って何歳?」

「にゃ」

ありゃ、行っちゃったか

まぁ、聞いたところで答えられないか







さてとゲットした新しい石を調べるか




う〜ん、図鑑を見ても分からない・・・

爺ちゃんなら分かったかな?

確か爺ちゃんのコレクションにも謎石あったな



「ふ〜、結局何の石かわからんし、とりあえず新しいアニメでも見るか」

今日は今期の一番話題の異世界ものか

異世界か・・・

魔法陣による召喚


「そういえば、前に爺ちゃんの部屋に魔法陣の書かれたデカい紙があったな、爺ちゃんの黒歴史かと思って戻したんだよな、まだあるかな?」




「確か、この引き出しの中だったような・・・」

 

「お!発見!」

やっぱりデカい、開くと2m×2mくらいか?



良く見ると魔法陣に何かを置く為の、〇が七芒星の先と中心で合わせて8箇所あるな

なんだろ、石を置かないといけない気がする


爺ちゃんの謎石コレクションを置いてみるか


「これで7個目と、良く見ると今日のレア物と爺ちゃんの謎石は少し似てるな、爺ちゃんのは赤、青、緑、茶、黄、白、黒とカラフルだな、とりあえず最後はレア物を置いて完成!『転移魔法起動』って何も起こるわけないけどw」


「にゃ〜」


「ミケ来たのか」


「にゃっ!?」


ミケが驚いてる?

「はは、ミケに恥ずかしいとこと見られたな、片付けるから待っててな、ん?」

魔法陣が光ってる!?


《術式起動これより転移シーケンスに移行します》


「は?」


「投也!まずいにゃ!!」


「へ?ミケが喋った!?」


「そんなことは今はどうでも良いにゃ!魔法陣を停めるのにゃ!!」


「え?え?どうすれば?」


「魔石を外すにゃ!」


「わ、わかった!」

急いで石に手を伸ばすと

『バチッ』「痛っ!」


《転移シーケンス90%完了、キャンセルは出来ません》


「え?」


「遅かったにゃ…」


《エラー発生!転移に必要な魔力が3%足りません、30秒以内に補填を行わない場合、対象者の安全性を確保出来ない可、能性があるます》


「魔力?足りない!?ミケ!どうしよう!」


「仕方ないにゃ」

ミケが立った!?それに光ってる!?

『我、⬛⬛⬛⬛の第一眷族ミケランジェロ、盟友との契に基づき、力を解放する』

なんかミケがスーパーな野菜人並に滾ってる!!


「ミケの魔力持ってくにゃ!!」


青白い光の帯がミケから魔法陣に流れ込んでいく



《魔力の補填を確認、シーケンス100%完了》


「くっ!かなりの魔力を持っていかれたにゃ…」

ミケがグッタリとした様子で倒れ込んできた


「ミケ!大丈夫?」


「大丈夫にゃ、それにしても地球じゃ起動出来ない筈の魔法陣が何で起動したにゃ?投也は魔法は使えない筈にゃ、投也何したにゃ?」


「多分、真ん中のアレが原因かも…」


「アレ?にゃ!?何でダンジョンコアが有るにゃ!!?しかもかなりの代物…神が関係している?いや、投也に干渉するのはタブーな筈にゃ…何が起きてるにゃ?」

何かミケがブツブツ言ってる


《続いて対象者の環境設定を行います》

《対象者:神石投也》

《言語の最適化…完了、身体に損傷を確認…修復、地球での能力に基づきスキル付与…完了、神石の系譜に基づきユニークスキル付与…完了、ステータス設定…完了》

《対象者:ミケランジェロ》

《最適化の必要生無し》

《転移準備完了、転移まで60秒》


「早っ!あと60秒!?」


「とりあえず何でも良いから鞄に詰めるにゃ!靴も持って来るにゃ!」


「わかった!」

リュックに食品やら役に立ちそうな物を詰める

後はコレクションも!!



「はぁ、はぁ」


「忘れ物は無いかにゃ?」


「た、たぶん」



《カウント5、4、3、2、1、転移》

眩い光に包まれた









ここは…神殿?立派な柱が何本もある

「成功?ミケは無事?」


「大丈夫にゃ、無事転移したにゃ」


「そっか、てかどこだよここは」


「ようこそにゃ、ここはあらゆる世界を繋ぐ異世界の交差点にして、始まりの異世界ミックスにゃ」




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人物紹介

神石投也かみいしとうや 18歳 185cm 75kg

超高校級の球児としてプロのスカウトもあったが利き手側肘の怪我により投手生命を絶たれ、逆の腕で投球練習を重ね二番手程度までの実力を短期間で付けたが、納得がいかず2年の秋に退部。

退部後は日課のランニングに合わせライフワークの石採取を行っている。

両親が居ない関係で家事全般が得意。

イケメンで有りモテはするが野球部時代のストックな印象から声をかけ辛く、本人は石LOVEな為、彼女はいない。

因みに大抵の事は短期間で出来てしまう天才肌。

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