貴石奇譚
貴様二太郎
開演
0.極夜国
そこは朝も昼も夜も、常に闇に包まれた
そんな極夜国に住んでいるのは、
彼らはこの世に生を受けるとき、左右どちらかの瞳に必ず自分だけの守護石をもって生まれてくる。
これらが守護石と呼ばれるゆえんは、それぞれの貴石には必ず何かしらの力が宿っているから。不屈、勇気、誠実――その加護は実に様々で、同じ石でも全く違う力が宿っていることもある。加護の力も、強いものから些細なものまで千差万別。
そんな石人たちの中でも強い力を持つ者は、圧倒的に貴族に偏っていた。彼らは古い血を脈々と繋ぎ、力の強い者同士で結びついてきたからだ。
金剛石の王家、
三大公爵家のコランダム、ベリル、クリソベリル――
けれど。そうまでして心とは別に理性で血を繋いできた彼らでも、決して抗えない本能というものがあった。
半身――それは石人にとって、最高の幸せと最高の不幸をもたらすもの。出会ってしまったらもう抗うことなどできない、呪いのような魂を縛り付ける伴侶。
彼らは探す。己の石に導かれ、魂の片割れ、すべてを捧げるべき存在を。たとえ故郷を捨てることになっても、相手が同族でなくても、死が訪れるそのときまで探し続ける。
消えてしまう思い出に涙する
さて、これより幕を上げるのは、巡る貴石の物語。
――貴石奇譚――
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