ハローワールド
ガブリアス
第1話
白いビジョンが見える。
白い砂嵐のあと、現実が映り始めた。
「お前さんは弟と世界どちらを取る」
おっさんな声が聞こえる。
「そんなの当たり前だろ。両方取るよ」
握りこぶしを上げた。
ここはほんごう商店前。
近所のお兄さんに声をかけた。
「タバコ吸うから火をつけてくれないか?」
やんちゃな坊主になっちまって。
俺は……
普通かなあ。
ん? 待てよ?
なんでここにいるんだ。
白いビジョンが見えたところまで思い出した。
ああ、そう思えばたかしと喧嘩した?
でも目の前に血溜まりはあるし……
まあいいか。
トラックに跳ねられたでいいかな。
世界が変わった気がする。
それから家はどうするか考えた。
お父さんとお母さんとたかしがいるから大丈夫か。
うーむ、とりあえず新居の代わりにファミリーマートに住もう。
五キロ先のファミリーマートまで歩く。
たかしがいればいいか。
なんでこんな考えになったのかわからない。
そして、チャリスの天の声が聞こえる。
右に店長。
端的だ。
チャリスらしいとも言える。
「久しぶり元気か?」
仕事から帰ってきた気もする。
「元気です」
ここで泊まっていいですかって聞くか。
「店長野暮用ですがここに泊まっていいですか」
「ダメ、家に帰りなさい」
ダメだった。
なんなんだこりゃ。
何かがわかった気がする。
でも、確信に迫ってはダメだと体が訴えている。
「家まで送るが」
懐かしい島の方言がわかる。
それから家に帰った。
途中でニコ生を開いていることに気がついた。
「いろいろ、あるだろ」
「ご両親に謝りなさいね」
たった二言をやけに覚えている。
そういえば不思議な体験の後である。
病院で女性に童貞を紐解いてもらった。
帰ってバロするか。
ハローワールド ガブリアス @Tosa_Miruku
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