夢を描く:カクヨムで小説家デビューへの道

@minatomachi

第1話 夢の始まり

三田村香織は、信用金庫で働く28歳の会社員だった。毎日同じルーチンを繰り返す平凡な日々に、時折虚しさを感じることもあった。そんなある日、彼女は高校時代からの親友、佐藤恵美とカフェでランチをしていた。


「香織、最近どう?」と、恵美はカフェラテを一口飲みながら尋ねた。


「うん、相変わらずよ。仕事も順調だけど、なんだか刺激が足りないっていうか…」


香織はため息をつきながら答えた。恵美はその表情を見て、何かを思い出したように微笑んだ。


「そういえば、香織は昔から異世界ファンタジーが好きだったよね。自分でも小説を書いてみたいって言ってたじゃない。」


「うん、そうね。でも、最近は全然書いてないわ。」


恵美はスマートフォンを取り出し、何かを検索し始めた。


「実はね、最近見つけたんだけど、『カクヨム』っていう小説投稿サイトがあるの。誰でも無料で自分の小説を投稿できて、他の人の作品も読めるのよ。特に異世界ファンタジーのジャンルが人気なんだって。」


香織は興味深そうに画面を覗き込んだ。


「面白そうね。でも、私なんかが投稿しても読んでもらえるかしら。」


「もちろんよ!誰でも最初は初心者なんだから。やってみる価値はあると思うわ。」


恵美の言葉に勇気づけられた香織は、その日の夜、さっそくカクヨムのサイトを訪れた。画面には様々なジャンルの小説が並び、多くの作者が作品を発表している様子が伺えた。


「よし、やってみよう。」


香織は意を決し、カクヨムのアカウントを作成した。まずは、自分が好きな異世界ファンタジーの短編小説を書き始めた。タイトルは『星の彼方へ』。夜中まで熱心にキーボードを叩き続け、ようやく完成した原稿を投稿した。


「こんな感じでいいのかしら…」


不安と期待が交錯する中、香織はパソコンの画面をじっと見つめた。投稿した作品が公開されると、初めての反応が届くのを心待ちにした。


数日後、会社の昼休みにカクヨムのページをチェックしてみると、なんと初めてのコメントがついていた。


「とても面白かったです!続きが楽しみです。」


香織はそのコメントを何度も読み返し、胸の中に温かい感情が広がるのを感じた。


「読んでくれる人がいるんだ…」


それからというもの、香織は毎晩少しずつ執筆を続けるようになった。仕事の後、パソコンに向かう時間が彼女にとって一日の楽しみとなった。読者からのコメントや評価に一喜一憂しながらも、彼女の中で小説を書く楽しさが再び芽生え始めていた。


そんなある日、恵美から再び連絡があった。


「香織、あなたの作品がカクヨムのランキングに入ってるわよ!」


驚きと喜びが入り混じる中で、香織は自分の目でその事実を確認した。ランキングに名前が載っていることが信じられなかった。


「これからも頑張ろう。」


香織は決意を新たにし、小説家としての第一歩を踏み出したのだった。彼女の物語は、ここから始まる。そして、新たな挑戦が待ち受けていることに胸を躍らせながら、香織は次の作品に向けてキーボードを叩き続けた。


次回は、香織が初めての読者の反応に対する喜びと不安を乗り越え、更なる成長を目指すエピソードが待っている。彼女の旅はまだ始まったばかりだ。

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