𐎢𓊆145録𓊇𐎽 唸り
しっかりと威嚇の唸り声だった。
茶菓子一つでこんなにも喧嘩するような事では無いだろうに。それに、この茶菓子も会社の備品。
ミーシャちゃんの所有物であるならば、そういうリアクションになったとしても、自分の物だったからという理由があるので、納得出来る部分はある。
しかし、会社の備品で好きなように関係者なら好きなように飲み食いしていいように置いてあるものを独占するのは良くない。
私は「会社の備品なら誰が食べても良くないですか?」と楓夏依を守るために、ミーシャちゃんに言い返した。
すると、ミーシャちゃんは「私が持ってきたものを会社の備品として置くようになっただけです」と返されてしまった。
私が入る何年か前に、ミーシャちゃんが差し入れとして同じ紅茶と茶菓子を持ってきたみたいで、それが事務所内で大好評ということで、社長からも「定期的に補充してくれないか?」と直々に頼まれて、常に会社にストックがあるように補給し続けているとのこと。
費用は事務所とは経費の都合上、折半という事になっていることと、その分の埋め合わせは中抜きの額を減らす………といった事で上手く回しているらしい。
····················茶菓子、紅茶だけでややこしい話になっているのだなと思った。ここら辺の細かいところまで色々と気にして立ち回るというのがメンヘラ女VTuberという感じがする。
私もメンヘラだから分かる。変なところで細かいものを気にしてしまうというのは有りがち。
自分でも「なんでそんなことを気にしているのだろう?」という気持ちに苛まれることはあります。
分かっていても止められないタイプのメンヘラなので。ミーシャちゃんの場合は、自分が何をしているのか理解出来ていないタイプのメンヘラであると思われますがね。
自分も他人も理解出来ない…………時間が経って冷静になっても、「あれ?あの時、何故私はあんなことを…………?」という精神状態になっては、夜な夜なヘラってどうしようもなくなるパターンのメンヘラでしょう。
私も夜はよくヘラる。
上記のような理由ではないのですが………よくヘラります。今までの色々なエピソードが脳内にグルグルと駆け巡って、その中に眠る黒歴史が沢山出てくるということになると····················本気で恥ずかしくなってきて、死にたくなってしまうというものです。
メンヘラでなくとも、夜って気分が沈みがちになるので、多くの人が共感出来るような悩みではある………はず。
悩まないのは、ナルシストかサイコパスくらいなもの。自己肯定感とプライドがマントルから大気圏を突き抜けるレベルで高い人間は、自分の行動全てが正しいと考えているゴミクズなので、そういう人種の意見は聞いたところで何もならないのでシャットアウトさせていただく。
「グルルルル………ガルルルルル…………!!!」
「ミーシャ、落ち着くんだ」
「·························ねー、やなんだけど」
「茶菓子上手い」
「ねっ、美味いね」
「楓夏依さんのだけに毒でも盛らせてもらいましょうかね?」
「私、体だけは頑丈なので毒とかは簡単には効きませんよ?」
「レムリア、どくばり」
「私はポケモンじゃないんだけど」
「ポケットモンスターって、英語圏だとチ〇コっていう意味になるらしいっすよ」
「フハハハハハ……………!!!!」
「楓夏依……………それは最低」
「ゲホッ………!!!!ゲホッ!!!!コホッ…………!!い、いきなり…………なんてことを言い出すんですか!?」
「インダス文明と言い出す文面」
「はぁ······························?」
楓夏依が暴走している。
急にポケットモンスターという英単語について解説を始めた。英語圏のスラングで、ポケットモンスターはチ〇コという意味になるらしいというのは聞いた事がある。
ポケモンの中に居るモンスターっていう事なのだろう………という説明が無くとも何となく意味が分かってしまうスラングだ。
これは株ポケ様に対しての侮辱行為です。だが、二次創作関連で更に酷いものが沢山あるのは存じ上げているので、これくらいの物言いでゲーフリから「法的措置を検討します」というような事にはならない。
一時期、一部界隈では問題となったAVスプラといったレベルまでにならなければ大丈夫だろうというのはある。
ただ、やらかしのボーダーラインを通り越すとしっかりと怒られる……というよりも、社会的に消されるかもしれない状態になり兼ねないということは、その事件で証明されたことでもある。
アニメやラノベでパロディネタを入れた時のツッコミのテンプレに「本家に怒られる!!」というのは、あくまでネタの範囲内として「実際に法的措置をとられるものではないだろう」と思われていたのに、その件以来からは「場合によっては普通に訴訟起こされる」ということが明確になった。
ただ、そこまでの事をやるのは無敵の人と呼ばれるようなタイプの人間だけのはず。普通に創作活動に勤しんでいるだけならば、今まで通りで大丈夫だと、個人的には考えております。
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