𐎢‎𓊆131録𓊇𐎽 DECEIVING of GLUTTONIY 〘☩〖FORTY-TWO〗☩〙


いや…………想像以上に上手くて驚いてしまった。その後の経歴とかを見てみるに、声優と女優業をメインに活動していた模様。


色々とコネがあるみたいな雰囲気はあるが………あくまで、コネは自分の存在を認知させるための切っ掛けだけであって、そこから先の実績関連は自分で築き上げていったような………ガチの実力派の芸能人か。


クエストバーサーカーとしても、相当の実力者ともなれば…………多方面から「コイツはヤバい」って、いい意味で言われるような存在か。


1度、会ってみたかったな。


2000年越しで"木公の糸土ハタの音"というのをYouTubeのユーザー名に付けてしまうくらいのファンも居るとなると、それだけのスター性を持った人という存在と話してみて得られるものは多い。


コンテンツだけ見ても、パフォーマンスの模倣くらいしか出来ないからな…………実際に、ここまでの境地に辿り着くことが出来た理由や経緯というものをしっかりと聞きたいところだ。


金髪の人と、松岡綾音さん………どっちからか話聞いてみたいものだ。かと言って、クローンが出てきても困るがな。


本人の記憶などが予め入っているようなタイプならば…………有りなのかな?っていうのはある。


どうやら、記憶をクラウド上に保管して、別の肉体に移し替えるという技術も確立しているようで、それが許されているのは特定の上級国民………というわけでは無さそうだが、ある一定の基準や条件を満たしている人達は、そこに記憶を保存して第2の人生を記憶を保管したまま転生することも可能らしい。


異世界転生まではいかなくとも、人為的に前世の記憶を受け継いだままの輪廻転生といったことが出来るまでに文明が発達しているのは凄い。


………………まさか、"木公の糸土ハタの音"が本人であるわけは····················無いよな?



「めっちゃ歌上手いやん」


「こんなアイドルグループ居たんだな」


「世間一般に認知されているレベルか………」


「全然聞いたこと無かったな」


「まぁ、いいんじゃね?今は私達の方が影響力あるっぽいし。伝説のVTuber、現世に蘇る!!みたいなので、一気に火が付いてるし」


「"歌は楓の方が上手い"····················うるさぇ!!私達は歌メインじゃなくて、配信メインでやっているんだよ!!アイドルみたいな扱いだけど、歌わない踊らないガワ被ったアイドルなの!!」


「こっちはもう…………ガチじゃん。あんなにも激しいダンスしながら歌えるっていう方が異常なんですよ」


「こっち、ガチプロやん」


「VTuberにダンスと歌を求める方がバカ。こういうのが厄介ヲタクって言われるんだよな。嫌なら…………見"ん"な"っ!!」


「絶好調だね、カレン」


「こんなところで絶好調でもな…………」


「種丸さん、スパチャありがとうございます❤」








____ゴォォォォォォンッ………ゴゴゴゴゴゴ………!!!!











「「「「えっ?」」」」



離れたところから爆発音というか、何かが崩れるような轟音が聞こえてきた。どこから聞こえていたのかは検討は付かないが………工場内のどこかで何かが起きた音という認識で間違いないだろう。


楓夏依は吸っていたタバコを地面に投げ捨て、私に向かって「カレン、行くよ」と肩を掴まれて引き摺られそうになったので、大人しくついて行くことにした。



広場に戻り、まだ未開拓のルートの方へと進み、道中で出会ったチャッキー人形モドキのような大軍を適当に片付けながらも進んでいく。


いくつかの扉を乗り越え、特に謎解きのシステムがあるわけでもなく、思ったよりもすんなりと進むことが出来た。


爆発音の音が近づいてきていたので、音の原因となっている場所には無事に辿り着く事は簡単に出来そうだった。








___ドゴンッ!!!!ゴォォォォオオオオオオンッ!!!!










「うおっ!?」


「この、扉の…………向こうっていう認識で間違いなさそうな感じですかな?」


「の、様ですな」



目的地に着くまでの最後の扉だと思われる現在地。私は何の躊躇いも無く扉を開けようとしたが、鍵が掛かっていたので千手観音の異能の力も使って、最大火力の火の魔法を扉に放って破壊した。


最後の最後で謎解きをするなんていう面倒臭い事はやりたくないのでね。容赦無く吹き飛ばさせてもらった。







___パキパキパキパキパキ…………シュゥゥゥゥゥ………










「·············································」


「なんか居る?」


「いや·························分かんないな、まだ」



扉の向こうには、何も無い深紅に染まった大部屋があるだけだった。


血で染められたかのように赤くなっている………不気味さしか感じられない一室。


確実に、ここから聞こえてきたはずの音なのに……………何か、壊れている様子でもない。


・・・・・・・・・・異質さしか、無い。



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