𐎢𓊆130録𓊇𐎽 DECEIVING of GLUTTONIY 〘☩〖FORTY-ONE〗☩〙
「………………………ん?カレンの配信にとんでもない額のスパチャしているのが居るって言われてんだけど?」
「100万くらい金貰ってる」
「そんなに投げれなくね?YouTubeの規制的に」
「それを潜り抜けているユーザーが居るってことでしょ?この………"木公の糸土ハタの音"っていう····················なんて読むのかも分からない意味不明な名前の」
「…………………何かしらの意味は有りそうだけどね」
「なんか、頭あんまり良くなさそうな名前してんな」
「でも、ユーザー名って皆頭悪そうな名前付けている人の方が多くね?寧ろ、そういうところですらふざけられないっていう方が馬鹿な感じがする」
「でも、"木公の糸土ハタの音"さんに関しては何かしらの意味がある気がする。暗号自体もそんなに難しいものではないはずなのに………」
「分かる人にはすぐには分かるってヤツなのかもしれない」
「···································"覇王の本名"?誰やねん、覇王っていうのが誰だか知らんのだけど」
「"2000年前の最前線組のクエストバーサーカーの名前、本名が松岡綾音"…………だって」
「あー、"松"ってそういうことなのか。"糸土ハタ"って"綾"って漢字を分解したヤツだったのか」
「"楓っていうアイドルグループのセンターの一人だよ、めっちゃ可愛い"って言われてる」
「最近調べたんだけど、金髪の人とダブルセンター組んでる黒髪の子が松岡綾音っていう人っていうのは知ってる。今でもVTuberがカバーしている曲があるから、そんなに歴史に残るようなグループなのかな?って思ったら、全員が伝説のクエストバーサーカーみたいな扱いのグループで、ダブルセンターの歌唱力とかダンスパフォーマンスがヤバいっていう話」
「松岡綾音さんの方が、高音域の化け物とか言われているらしい」
「へー、そうなの」
「ミックスボイス無しで、純粋な地声でhihiAのロングトーンのフェイク出来る音域化け物」
「やばいな、それは」
「しかも、ちゃんと歌としても成り立っているから恐ろしい。ただ出るだけの人じゃないのが化け物と呼ばれる由縁」
「金髪の人の方も低音域が男くらいに出る。低音域もしっかり出せるダブルセンターの歌唱力というのでも評価されている」
「金髪の人は音程バチバチでハメてくる上に、そこに自分の表現力も乗せてくるから、カラオケでも点数取れる歌い方も出来る、歌声精密機械タイプでもあるらしい」
そんなに凄いのか。
試しに私のスマホで曲を調べてみることにした。配信の中ではオリ曲よりも、高校時代とかに歌っているジャニーズのカバー曲がオススメだって言われている。
コメント欄で「KAT-TUNっていうアイドルグループのNEVER AGAINという曲をカバーしているから、それを聞いてみて」という事を言われたので、早速聞いてみることにした。
KAT-TUNファン………昔から赤西君推しでもある私にとって、KAT-TUNのNEVER AGAINという曲は知らないわけが無い。
ラスサビの赤西君の超高音域のフェイクが魅力的。手越とかまっすーと違って歌が上手いっていうイメージが世間にそこまで浸透していないのが「もっと赤西君の歌のうまさを知って欲しい!」というのがファンである私の気持ちでもある。
逆に、そこまで本家が大好きなものだから………基本的にカバー曲は聞いてられるか!って思ってしまう性分でもある。
それに、女が歌ってるんだろ?って思うとね…………どーせ、囲いが騒いでるだけだろ?って考えてしまう。
囲いのドル豚達が過剰評価しているだけに過ぎないのだろうと思ったら………松岡綾音さんに関しては女性ファンの割合も、女のアイドルでありながらも、かなりの人数を抱えていたらしいという噂を聞いている。
女のアイドルの歌声に一目惚れする女ファンって…………そんな事ってあるのかな?って疑問だ。
ゼロではないとしても、いちいち話題に上がるほどなのか?という気持ちしかない。
とりあえず………勧められたライブ音源を聞いてみることにした。
メンバーのうち3人が高校生であり、ダブルセンターと言われている金髪と松岡綾音さんも高校生で、自分の通っている学校の本物の制服を衣装としてパフォーマンスを行っている。
ビジュアルも全員整っているのは勿論だが…………全員が普通に歌もダンスもレベル高くて、センター2人が更にズバ抜けている印象。
松岡綾音さんは黒髪メガネの芋っぽい見た目でもありながら、そこまで芋っぽさを感じさせない………キラキラとしたアイドルのオーラが画面越しからでも伝わってくる。
そもそも歌唱力も高校生が出せるクオリティでは無かった。本家に忠実ながらも自分の表現力も織り交ぜている。
音は基本的に外れているが、変にはずれているというわけではなく、上や下に綺麗に外しているので、上ハモの下ハモの歌い方を主旋律として表現しているかのような………有りそうで無かった歌い方をしている。
元々の音域が広いからこその歌い方でもあるかもしれない。癖が強い、太い声でありながらも、主旋律を歌う金髪とのハモりでは綺麗にハモれている。
そして、ラスサビの高音域フェイクではホイッスルボイスを綺麗にかましている。音程がブレているので、生歌なのは間違いない。
高校生の女アイドルで、売り方的にも歌がメインというわけでもいうわけでもないのに、アイドルという枠組みだけでなく、女性アーティストとしても、既にレベルの高い方の歌唱力を持っていると思う。
ハモりの歌い方を主旋律に持ってきて、それを完全にソロパートとして歌い紡げるというのは、普通に音程合わせて歌うよりも難しい事をやっている。
無意識にやっているんだとしたら、ある意味天才なのかもしれない。
…………………なるほど、これは伝説として語り継がれるのも理解できるな。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます