I.ZA.NA.I.ZU.KI

𐎢‎𓊆89録𓊇𐎽 DECEIVING of GLUTTONIY 𝖅𝕰𝕽𝕺











𐏃O𐎢𐎩O𐎢𐎿𐎡𐎣𐎡𐎣𐎠𐎼E𐎴














「社長、急に呼び出してなんなんですか?しかも…………CRY.STi⟬A⟭LLIZATIONの皆様まで急に呼び出すなんて………」


「緊急の"依頼"が総督府から入ったものでな…………それに、CRY.STi⟬A⟭LLIZATION2期生の4人への指名が入っている」


「「「「··················································」」」」



初配信から3週間が経った頃、着実に少しずつ増えていっているチャンネル登録者数と再生回数………そこに付随するチャンネル収益化による利率の管理、税金面での下調べなどを行っていたところに、[̲̅N̲̅][̲̅E̲̅][̲̅V̲̅][̲̅E̲̅][̲̅R̲̅][̲̅L̲̅][̲̅A̲̅][̲̅N̲̅][̲̅D̲̅]からの呼び出しが入った。


内容は、私達4人が総督府からの指名で頼まれている仕事。VTuberとしてではなく、クエストバーサーカーとしての仕事だった。



「依頼の内容はなんですか?」


「詳細が分からないのだ。ただ、向かう場所だけは指定されているようなもの」


「あー、なるほどなるほど」


「どこなんですか?」


「総督府から約1000キロ離れている街………その街にある、大きな工場がある。こちらで把握しているのは、その工場の場所と、その工場は元々オモチャ工場であったということくらいのものだ」


「オモチャ、工場·························?」


「リアル、ポピープレイタイムをやれって事ですかい?」


「しーっ!今のご時世、パクリとかそういうのにうるさいんだから。私達が気にしなくても、周りが気にして評価下がるから止めて!」


「すまんくす」



楓夏依が引用リツイートとかで荒れそうな事を言い出した。オモチャ工場に乗り込んでホラゲみたいな事をするというのは、私の中でも「これ、ポピープレイタイムみたいだな」と薄々気付いた。


配信でも夢中になってしまって、耐久配信をするつもりでは無かったのに、のめり込み過ぎてしまい………結果として耐久配信となってしまったタイトルでもある。


CHAPTER 1、2、3を一気にやってみようという事になりまして………そこで一旦区切りを付けてみた結果、15時間というとんでもない配信時間になってしまった。


配信しながら飯休憩やらトイレ休憩を挟んでいたくらいに、クリアまでパソコンと向き合っていたような状態だった。



同接が平均で2万くらいは言っていたのかな………コメント欄で「寝る前に見て、起きたらまだやっているのやば過ぎ」といった類のコメントがズラズラと高速で流れていった。


赤スパで「睡眠導入剤買ってください」って来るまでの耐久配信となってしまった。


豐穣熾カレンとしての活動の中で一番長くなった配信となったような気がする。飯食ってる時は普通にゲームのホーム画面を出しながら雑談をしていた。


このゲームに関してのガイドラインの確認や、その他の摺り合わせたというのは全部私が行っていたので、自分が取ってきた案件のようなものだったということもあり………枠を分けて配信すればいいものの、エンドレスで繋げて配信していた。


「寝る前に見て、起きたらまだやってた」というコメントを見て、現実に引き戻されたよね。「そんなに夢中になっていたのか!?」と驚いてしまった。


家でやっていたため、戸締まりの時間などを一切気にすることが無かったせいで、時間の事を一切気にせずにやり続けたのが良くなかった。


事務所には「お前は一応社員という立場もあるのだから、労働時間は考えろ」と社長とマネージャーに怒られた。


労基乗り込んで来たらどうするつもりだ?残業代出せばいいという問題では無いんだぞ?と言われ、自分からペナルティを科してもらい………残業代無しの、その配信内で得たスパチャ収益の7割上納で話がついた。


いつもなら2割前後なので、かなりの収益剥奪となる。これくらいのペナルティを自分で受けないと……痛みを伴って学ばないと繰り返してしまうことになると思いまして。


生活にも影響が出ない程度の経済制裁ということで。社長には「4割でよくない?」と言われたが、私が「7割剥奪でお願いします」と意地張ったので、社長が折れて7割剥奪にしてもらったのだ。


それ以来、しっかりと配信時間を守るようになった。長くても5時間で区切るようにして、次の日以降にまた別の枠を立てるというやり方にシフトした。



………という、エピソードを生み出したのがポピープレイタイムという最高のホラゲです。


作り込みが凄くて中毒性が高過ぎる。まさに、いい意味で麻薬のような素晴らしいゲームですよ。





···································そんな世界観と似た、総督府から1000キロ、ここからでも1000キロほどの離れた街にあるオモチャ工場にクエストバーサーカーとして、現実に乗り込むことになるとは………


ホラーはゲームとアニメとドラマの中にしてほしい。リアルは駄目だ。

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