𐎢𓊆81録𓊇𐎽 betrayal Stream 鬮
____カラカラカラカラ……………
「あれ?普通の麻婆豆腐、っぽくない?」
「打ち合わせの時は山椒の臭いが強過ぎるから、目とか痛くなるかもって言われていたのに………」
「·························ŧ‹”ŧ‹”( ‘ч’ )ŧ‹”ŧ‹”」
「いや、ゆみり。手を付けるのが早いんだって。どんだけせっかちなんだよ」
「早漏系美少女VTuber」
「美少女の前に絶対に付いてはいけない単語が付いてんだわ」
「てか、麻婆豆腐は普通に美味いの?」
「うん、辛くね。普通にめちゃ美味い麻婆豆腐や」
「······························あっ、マジだ。うんめっ」
「あー、豐穣熾コウスケ………君!スパチャありがとう!えっと………前世のデビューした時の話をもっと聞きたいな〜、だって」
豐穣熾っていう苗字に過敏に反応してしまった。私とカレンは全くの別人という体でやっているのだから、豐穣熾という名前を見掛けたくらいで動揺していては駄目だ。
何事も無かったように………平常心を装って対応しなければ。
「前世の、企業Vだった時のデビュー当時の話か」
「まだ会社自体が全然大きくなかったもんね。結構割と面白い感じだったよね」
「スタジオとかも自社のが無かった時代だからね」
「あっ、その前になんで転生したんですか?……だって」
「あぁ、言い忘れてたわ。前の会社はクビとか卒業じゃなくて、会社が倒産した」
「そこそこ大きな会社だったから潰れないとは思ったんだけどね。倒産する前までは普通に自社でスタジオ構えていたりとか………本当に、VTuber業界ではそこそこ名の知れた会社だったりする」
「だいぶギリギリ攻めるね」
「ギリ通り越してない?大丈夫?」
「大丈夫、大丈夫」
「そんな倒産した元大手事務所が転生先に決めたのが同じく[̲̅N̲̅][̲̅E̲̅][̲̅V̲̅][̲̅E̲̅][̲̅R̲̅][̲̅L̲̅][̲̅A̲̅][̲̅N̲̅][̲̅D̲̅]というわけですね」
「普通に結構いい条件で採用だったよ。もう、応募した瞬間に向こうから内定前提のような状態で」
「それなりの実績はあったのが救いだったわ〜って思ったわ」
「でも、そんな私達でもデビューの頃は知名度も無ければ、会社も割と小さかったっていうのもあるからね。個人勢で頑張っている人達の中で数字持っている人の方が企業勢っぽく見えるんじゃないのかな?ってくらい」
「そうそう、ちょっと頑張っている個人勢くらいにしか思われていなかったのがね………それで未経験ながらも、配信以外にも力を入れたりしてね?」
「本当に色々やってた」
「歌ったり踊ったりだけじゃなくて、絵を描いたり、自分達でオリ曲作ったり………何だったら、自分達で新衣装作って、それを自分達でモデルとして動かすというところまでもやったり…………」
「会社の内勤やったりね」
「やってた!!やってた!!本当に色々やってた」
「"社員の仕事もやっていたのは草"だって」
「おかげで固定給もそこそこ貰えて、そこにインセンティブ貰えたりとか、事務所の仕事を手伝えば中抜き無しとかも全然あった」
「ゆみりとか、普通に自分で電話営業、外回りからの商談成立で仕事取ってきたりもあったもんね」
「企業勢なのに、自分で自分の案件取ってくるという事をやってた」
「そりゃ"ちょっと頑張っている個人勢"って言われても仕方ない」
「でも、事務所いいよ?[̲̅N̲̅][̲̅E̲̅][̲̅V̲̅][̲̅E̲̅][̲̅R̲̅][̲̅L̲̅][̲̅A̲̅][̲̅N̲̅][̲̅D̲̅]もだけど、前のところはそんだけ自由にやらしてもらって、結構手厚いマネジメントとかもあったから。労働時間とんでもないことになっていたけど、残業代もしっかりと出ていたし。普通に社員の仕事もしていたから、その分の残業代も出てたから………でも、収入多かったから会社が面倒見てくれる分の税金と、個人でやる分の確定申告とかで少し面倒くさかったかな〜?ってくらい」
「言うて皆で協力していたから、そんなでもなかったよね」
「税金マウント取ってたもんね。「私の方が高額納税者〜★」とかって遊びながら確定申告のヤツやってたもん」
「節税しているだけなのにね、私とかは」
「ゆみりは·························その、また色々と細かくやり過ぎてるんだもん。生命保険控除とか、細かいところまでやってるんだもん」
「そりゃ出来るだけ手元に金を残したりとか………経費として落とせるんだったら、入ってきた分をどっかで使っておくのが一番じゃん?そうやって節税していくもんよ」
「お前、意外と職人気質だもんな」
「職人っていうか…………ほらっ、私達のデビューしてた時って、何でも本当にやります!っていう状態で、何でもやって金に還元するっていうことをやっていたわけじゃん?」
「おいおい、そこまで言っていいんか?」
「[̲̅N̲̅][̲̅E̲̅][̲̅V̲̅][̲̅E̲̅][̲̅R̲̅][̲̅L̲̅][̲̅A̲̅][̲̅N̲̅][̲̅D̲̅]が許可出しているからセーフ」
「そ、そういう問題かね?」
「そういう問題なんだよ、世の中なんて」
「……………って、言うとりますけど」
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