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「そういえばさ、夏休みにね、さきおと博多と沖縄行った話したじゃん。」とサブロー君に話す。
それからひそひそ声で、
「その時さ、名波さんに連絡入れたの。」
「会ったの?」
「ううん会えなかった。もうその連絡先使ってないかもだし。」
ふたりして無意識に青田君を見た。
背筋を伸ばした青田君は、もくもくとパソコンをいじっている。
「もしかして東京に出てきてるとか。」
「ありうるよね。」
ちらっと青田君がこっちを見た。
聞こえたのかしら。
まだ彼の中には名波さんが居るんだろうな。
一途なのよね。
私にもそんな人が現れないかな。
どこにいるのかしら。
なんだか切なくなっちゃった。
「何ためいきなんかついてるの?」
「ははは」
笑ってごまかすしかないでしょ。
「じゃあ明後日ね。場所は、知ってる?」
「うん、一度行ったことあるところだから。」
「へえ、そうなんだ。奥さん?」
「そう。ちょっと狭いところだよ。予約した方がいいかな。」
「どうなんだろう。岡さんは何も言ってなかったけど。」
「聞いてみるよ。」
「うん、お願い。」
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