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夏休み明けはさすがにきつかった。

からだが重い。

今日は全員出社日。


でも竹宮君がいない。


なんと体調不良で初のお休み。

そう、今まで休んだことなんかなかった。

電話を取った星野君に聞く。


「どんな感じだった?」

「元気なさそうな声でした。」

「そうなんだ。珍しいなあ。」

「気になりますか?」

なんだよう。気になるって。

からかってるのか!


「まあ電話で伝えてきたんだから大丈夫か。」

いつも私がいじめているように見えるんだろうか。

だから休んじゃったとか。

勘ぐりすぎか。


「星野君は大丈夫?」

「体重いですけど。」

「そうだよね。夏休み明けはそうなるよね。」

なんで私が星野君に気を使ってるんだ。

もう。


他の部署も巡ってみる。

あの陰気な事件がもう払拭されて、新しい雰囲気に変わっている。

夏休み前でよかったのかも。

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