63

会社でちょっとした動きがあった。

なんとあの経理の子が同期の子と付き合い始めたらしい。

並みいる先輩たちを押しのけてか。

さっそく真偽を確かめなくては。


まずは同期の本人に直撃した。

あっさりと認める。

へえー。

いつもはクールなのになんだか穏やかな笑顔で話すんだから変わるものねえ。


次は実は最初に狙っていたオルト君。

彼の反応を見に行かなきゃ。

なんとまだオルト君情報持ってなかった。


「まじ?」

本気で驚いている。

「あいつ、関係ないふりしてながら、そうなのかよー。」

本気で悔しがっている。

「優しい顔してたよ。」

「ほんとかよ。小突きにでも行ってくるか。」


今日はサブロー君不在。


他の部署も巡り、吹聴して回る。

ああ、楽し。


長続きするかなあ。

先輩たちが嫌がらせとかしないかなあ。

まあ関係ないけど。


会社で人気の子と付き合うロクなことないんだけどな。


帰りに今日は居なかったさきおのおうちにも寄る。


のくちゃん、元気いっぱい動き回ってる。

それを優しく見守るわんころも。

よかったね。


さきおにも話した。

「ほんとに?」

さきおも驚いている。

だよねえ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る