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その中のふたつが別のスタッフにより運ばれてきた。

見栄えのする前菜。

さっそくスマフォを取り出す。

お互いいいカットが撮れたところで、さてどうやって食べようかと目を合わす。

せっかくの盛り付けが崩れてしまう。


そんな感じで料理を楽しみながら、料理人たちのパフォーマンスを見ながら

彼氏だろうふたりを特に見ながら食事をした。


「私はね、まゆげだと思う。」

さきおが首を振る。

「え?きつね?」

うんとうなずく。


「じゃあ、今連絡を入れてみて聞いてる?」

すぐ反応してくれるだろうか。


ふたりの特徴を伝える。

すぐ返事が来た。


「まゆげ」


やったあ。

さきおが顔をしかめる。


できれば声をかけてみたかったけど、テーブル席だと難しい。

しばしまゆげを観察する。

包丁さばきがかっこいい。


デザートを食べてお店をあとにした。


さきおがまだくやしがっている。

「まあまあ。」

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