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それからしばらくは発表会の衣装を考えたり、進行を考えたり。
そう、この間から進行係を任されてる。
一応演出なんかもあった方が面白いから、生徒さんたちにいろいろやってもらったり。
だから発表会が近づくと色々忙しくなる。
プログラム作りは、最近入った美大に通ってる生徒さんがいてお願いすることになった。
まだみんなの曲が決まってないから、まずは外側のデザインとかを決める。
今日はその打合せ。といっても女子会のノリだけど。さきおも一緒。
三人でおしゃれなカフェ。
まおちゃんは、最近彼氏ができたそうだ。
その話で盛り上がる。
彼氏は和食の料理人だとか。
「どこで知り合ったの!」
「そうなんです。偶然なんです。えーと。」
ということで馴れ初めをしゃべってくれる。
駅で網棚に荷物を忘れて集積所まで行ったら、
その人がちょうど荷物を持って現れた。
その人が降りる駅が終点で、網棚に荷物が載っているから、それを届けに来たら、
持ち主であるまおちゃんが来たところだったという。
駅員さんに渡せば済むところを早いほうがいいとわざわざ集積所まで持ってきてくれたのだという。
「へー。そんなことあるんだ。」
「そう。それでありがとうございます。って言って別れたんです。」
「別れたの?」
「はい。でも次の週にまた電車で会ったんです。それで、あっ、この間はどうもありがとうございました。って話始めて。」
「それで付き合い始めた?」
「いや、その日は話しただけで。」
「また会ったの?」
「結局私がバイトに行くとき乗る電車と彼が仕事で乗る電車が同じだったんです。だからその曜日はほぼ会うんです。」
「なるほど。それで徐々にってこと?」
「はい。」
「ふーん、そんなことあるんだ。」
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