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別れてから今日の出来事を無意識に反芻していた。


林君は話してみると落ち着いていて真面目な印象なのが意外だった。


飲み会での明るくて元気な印象とは違っている。


もちろんまだ緊張が完全に解けたわけではないと思う。


だからまだ本性は出していないのだと思う。

まだ私の中では本性が出てこないと信用出来ないというトラウマがある。

まだまだ慎重なのだ。


次の日さきおに会ってそんな話をした。

さきおはにこやかな顔をして聞いている。


「なんかさ、まだ信用できないのよね。」

にこやかな笑顔で見つめられる。


「慎重すぎるよね?」

首をゆっくり横に振る。

「幸せそうな顔してる。」

「そう?」「そうかなあ。」


そうなのか。そんな顔してしゃべってたか。

なんだかんだこのところ林君のことばかり考えてる。

それが幸せなのかしら。


次は少し山の方に行くことになっている。

トレッキングというやつ。

どうなるんだろう。

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