龍牙伝説 (旧題名:穏鬼)
LbFennel
Prologue
古代記
遥か昔、恐竜の闊歩していた時代から、幾度となく戦いが繰り返されている。
星の力を自在に操る「
同族同士の覇権争いを続け、やがて力の衰退、肉体の消滅により、一部は異次元へ。残った者は未来を夢見て永き眠りに就いた。
後に「
異次元へ移住した星神一族は星の力を失うが、新たな世界の力を得てそれを「
星神一族と同時代に集落を造り慎ましく暮らしていた「
書いて字の如く、巨大な体躯に鋭い数本の角と、「龍牙」と呼ばれる強大な力を有する一族。しかしその性質は、争いを好まず、その日の生活の糧にのみ力を発揮していた。それ故、覇権争いに忙しい星神一族からは危険視されず、その領地を支配下に置かれながらも生存し続けることが出来た。
ところが、そんな彼らも突如現れた一振りの刀により勢力が二分されることとなる。
その刀の名は、「
穏鬼一族の力と同じ性質を持つこの刀には精霊が宿り、自らが選びし者の力を増幅し、軽く一振りするだけで山をひとつ跡形も無く消し去ることが出来た。
しかし、刀に選ばれた当時の族長「
その想いは、彼らの力を破壊力に秀でた龍牙力「
穏鬼一族は「
この戦いを神界から見ていた神族は、鬼神龍女の力を欲し、彼女を神界へと招いた。肉体が存在できないその世界で鬼神龍女は否応無く肉体を失い、穏鬼一族の元へ戻ることが出来なくなり、神族の中で唯一、彼女と同じ龍牙力を操れる「龍牙神族」に神の一員として組み込まれた。
この謀略により、彼女に想いを寄せていた聖穏鬼「
邪穏鬼となった龍鬼童子は魔剣を継承し、破壊と殺戮を繰り返すようになった。対象となったのは聖穏鬼。彼の狙いは聖穏鬼を傷付けることで、穏鬼を愛してやまない鬼神龍女を再び地上へ引き戻すことにあった。
しかし肉体を失った鬼神龍女は地上へ戻ることが出来ず、絶望した龍鬼童子は魔剣を持ったまま何処かへ姿を消してしまう。
鬼神龍女と聖剣を失った聖穏鬼と、龍鬼童子と魔剣を失った邪穏鬼。聖穏鬼は「
戦いが長引く中、聖穏鬼は聖剣に変わる切り札として全員の力を結集して「
戦況は三つ巴となるが、切り札を持たない邪穏鬼は魔族の猛攻に耐え切れず殆どが生命を落とし、残った者は僅かな力を振り絞り星神一族同様、永い眠りに就き、ここに邪穏鬼は滅亡した。
聖穏鬼は息吹童子と銀猫嬢子を先頭に攻勢に打って出るが、魔剣を振るう龍鬼童子の援護もあり、魔族の勢いが止まることは無かった。
だが、これでも鬼神龍女が戻ってくることは無く、龍鬼童子は最後の手段として、地上を氷で埋め尽くし生命あるものすべてを根絶やしにしようとした。「氷河期」の到来である。
零下の中で生き残れるものは少なく、穏鬼も例外ではなかった。周囲に結界を張り寒さを凌ごうとするが、龍牙力で自然の力を防ぐことは出来なかった。その為、次々と凍死する穏鬼が増える中、絶望した龍鬼童子は魔族の元を去り、姿を消した。頭首を失った魔族は氷河期が終わりを告げるまで魔界へと引き返していった。
敵がいなくなった聖穏鬼たちは寒さを防げる場所を求め散り散りになり、ある者は界を破り異世界へ、ある者は「冬眠」することを決め眠りに就いていった。
やがて、氷河期が終わりに近づき、地上に新たな生命が芽吹き始めた。
冬眠していた聖穏鬼たちもぽつぽつと目覚め、息吹童子と銀猫嬢子は散らばった同族を求め旅を始める。しかし、魔族は聖穏鬼が集まる前に再び地上へと侵攻を開始した。これを察知した息吹童子は穏鬼に変わり地上に溢れた小さな存在「
後に「
聖穏鬼の血を受け継いだ人間は体の一部に聖色を宿し、龍牙力を自在に操り魔族と真っ向から対決した。人間の数は多く、統率力を持つ頭首を欠く魔族は次第に追い詰められ、ついに魔界へと撤退し、聖穏鬼は魔界へ繋がる歪みを塞ぐ為、その力の大半を消耗し、結界の管理を人間に託して、穏やかな生活に戻るべく何処かへと姿を消した。
しかし魔族は諦めが悪く、結界の歪みを見つけては地上へ現れ繰り返される戦い。
魔族は聖血族以外の、龍牙力を持たない人間を誘惑し、内から地上を支配しようと試み、その度に地上が乱れ人間同士の醜い戦争が繰り返される。聖血族は時に人柱となりながらも魔族から地上を守り続けている。
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