日常のなんちゃってホラーエッセイ
光闇 游
0.はじめに
私には霊感がない。
いや、たぶん、ない。ないと思う。部屋の角っこが怖いな~なんて考えるのは霊感がないただの恐がりの証である。
そんな私ではあるが、では幽霊の存在は信じるか否かと問われると、「まぁ、いるんじゃない?」ぐらいの感覚である。
少し話が脱線するが我が家はこれでも一応、浄土真宗である。聞けば浄土真宗にはそもそも霊という概念はないそうだ。人は死ねばすぐさまあの世に行って浄土に至る為の旅に出るから、なのだそう。
しかし父の葬儀でお世話になったお寺の奥さんは、浄土真宗のお寺にも関わらず自称『感じる』人だった。実際に、当時亡くなるなんて思っていなかったタイミングで逝ってしまった父にどうしたらいいかわからず、ひとまず父が好きだったお酒でも傍に置いてやろうかと父が愛用していた湯飲みに日本酒だけいれて置いていたら、件の奥さんから「お腹をすかせていますよ。何か食べ物を置いてあげてください」と言われてびっくりしたことがある。というのも、父は亡くなる直前までほぼ点滴のみだったのだ。むろん、お寺の奥さんは他人である父の亡くなる直前なんて知らないわけだから、慌ててお茶碗いっぱいに白米をよそって供えたものである。
ちなみに翌朝、お茶碗の白米が有り得ないぐらいにぱっさぱさになっていたり、湯飲みの日本酒が味のしない液体になっていたりしていたのは、余談の話。
だから、まぁ、いると仮定した方がロマンがあるからいるんじゃない? というスタンスで私は幽霊という概念を捉えている。べ、べべ別に怖くないもん!
さて、今書いているこれはエッセイである。つまり私の体験談ということになるのだが、冒頭でも書いた通り、私には霊感がない。しかし幽霊はいたらいいなぁ。
そんな緩い感じでお届けするホラー話である。某ちゃんねるで賑わった「洒落怖」には到底及ばないホラーではあるが、ちょっとした、なんちゃってホラーとして楽しんで頂けると幸いである。
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