「牛丼?豚丼?」 皆、呪われている!やめろ!コンビニおばさんまで、まさかの変化!
冒険者たちのぽかぽか酒場
第1話 牛と豚の世界に、こんにちは。病院の医者たちが牛で、コンビニのおばさん店員が~!
異世界的な、SFピンチ?
牛や豚に、縁がありすぎる。
「当たった!」
ネットくじ引きで、異世界旅行を当てたら…。
当たった瞬間から、時空全体が乱れすぎてきた。
町の人がつれているフツーのる犬や猫が、牛に見える。
SF好きの彼には、時空から身体まで異常になっているとしか思えない。
「頭や腰が、ガンガンするなあ」
身体のあちこちを、「ガツーン!」とハンマーでなぐられたよう。
とはいえ、本当になぐられたことは今まで1度もない。
本当になぐられていたのなら、今ごろ死んでいる。
診療内科の医者に、相談。
「先生?いろいろ、おかしすぎます」
「おかしいのは、あなたですか?あなたのまわり、ですか?」
医者が、彼のほうにゆっくりふり向く。
「ぎゃっ!」
驚いたの、何の。
話しかけてきた医者は、牛だった。
「牛が…。しゃべっている!」
「ええ。牛ですが、何か?」
すぐに、病院を飛び出そうとする彼。
が、病院のスタッフにつかまってしまった。
「君?ダメだモー?診察代として、干し草を置いていってくれだモー…」
「ちょっ、何を言って…」
パッと、声の主のほうを見る。
「げ、ウソだろ」
その声の主も、牛だった。
「君は先ほど、あの先生に診てもらったで…ごブウ」
「あ、ゲップ!逃げろ!」
別の病院に、いくべき。
他の医者とかに意見を聞く「セカンドオピニオン」は、大切。
すると…。
別の病院で働いているスタッフも、牛ばかり。
「なえる…。診察をしてくれる医者も、牛にちがいない」
帰宅を決めた。
「気分転換だ。牛丼を買って、帰ろう」
牛丼は、彼の好物。
「大切に食べてあげれば、牛の呪いも収まるだろ」
コンビニのレジで。
「これください!」
「牛丼、ですね~」
「早くしてください!」
顔を合わせたくはなかったが、レジのおばさんに顔を向けた。
動きが遅いと、文句を言うために。
が…。
「あっ!」
レジのおばさんも、牛!
「うっわ…。俺、呪われているな。その牛丼買うの、やめます!別丼にします!」
今度は豚丼を選んで、レジに直行。
「ぎゃっ!」
レジのおばさんが、豚になっていた。
「おばさんは、豚」
それ、リアリティがあるよなー(W)。
もう、異世界もリアル世界も大差ないのか?
もう。
もう。
ぶひっ。
世界が、心配だ。
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