第4話 されど在来種純粋日本人 「ぶらり北京」の効能

<共産主義中国人のダサさ>

何をやっても実利・実学・実業で問題解決する共産主義中国人。

何しろ、かの漢字でさえ美的感性をすっ飛ばし、実利にのみ即した簡体字なる合理的・実利的「記号」にしてしまったくらいなのですから。

しかし、何ごとも合理的・実用的ばかりでは、面白みがなくなり、息苦しくなることもある。

<江戸っ子の粋>

江戸っ子の美学とは、9割は理に適った正しさや規則性があっても、1割は遊び・曖昧さ・いい加減さ、もっと言えばダサい部分を残しておく。

これが江戸っ子の「粋」というもの。

共産中国とはちょっと異なりますが、京都人のようになんでも完璧に美しく装う、というのと違い、多少は野暮ったいところを残しておくのが江戸っ子気質なのです。

その意味で、何でも完全主義の中国人は、江戸っ子からすれば田舎者。

<パンダでさえゆるさがない>

 もちろん、中国人もそんなことは百も承知で、「1割の効能」を発揮するため、特に諸外国に対して、しきりに「パンダ」を使っているわけです。

(かつて西欧列強がアフリカやアジアを侵略する際、その貪欲な意図を隠すためにキリスト教という緩衝材を使用したのと同じ効果を狙っている、と考えるのは失礼か。)

 ところが、「緩さの象徴であるパンダ」にしても、中国式きっちり・カッキリの粋から出ることができない、・緩さに欠ける。

  歴史的に東西文化の要衝コンスタンチノープルを擁してきたトルコ人は、さすがにそういう点に対して敏感です。中国のパンダを「緩さの象徴・アイドル」としてではなく、中国人と同じく「実利一点張りの恐ろしい怪物」として(ユーモアを交えて)捉えています。

パンダチーズのコマーシャル

342,661 回視聴

2012/06/24

https://www.youtube.com/watch?v=mhrOFxugiac

<人民網日本語版のジャンヌ・ダルク>

 何でもかんでもきっちり・カッチリしている共産主義中国人。

  しかも、2024年の今、もはや暴走機関車のごとく、猛然と最先端技術と伝統文化/文明の融合を推し進める中国。


  そんな、なんでもスキのない・なんでもガチガチで・合目的的で・緩さのない中国人に、のんびり感・ほっこり感といった緩さを提供し、人民網日本語版の読者である私たち日本人の緊張感を解きほぐしてくれるのが、「ぶらり北京」なるコラム。


  まさにその名の通り、ぶらり・のんびり・ゆったり・ほっこりという、江戸っ子ならずとも、日本人であれば心の底で求めている心のゆとり・遊び感覚を提供してくれています。

歴史的に観ても、遣隋使・遣唐使の頃、中国の都市の如く、すべてが碁盤の目できっちりと区切られ整備された中国文明と文化に息苦しさを感じた在来種純粋日本人は、ひらがなやカタカナといった「ゆるい文字」を発明して、それに対処しました。

漢字という、きっちとした合理性のある文字をベースに、ひらがなやカタカナという緩さ・ダサさを挿入することで、書く側は自分の考えが効果的に伝わり、読む側にとっても、長文でも疲れないようにする。

  それと同じことを、今の中国で・人民網日本語版の片隅で、大和撫子?が可憐、且つ果敢に取り組んでいらっしゃるということなのです。



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