『ARMSGEAR・METALSURVIVE』
十六夜冬歌@読9書1
キャラメイク
春、それは様々な事が始まる季節。
入学式しかり、新社会人しかり、パン祭りしかり、そして何よりも新作ゲームしかり。
その名も『ARMSGEAR・METALSURVIVE《アームズギア・メタルサヴァイブ》』
スクラップ&ビルドを基本とするロボットアクションゲームでプレイヤーは新人パイロットとしてアホな先祖達が残した負の遺産、機械生物『機獣』達と戦い素材を集めて自分だけの最強ロボットを作って戦おう!。
リアルなコクピット!響きわたる銃声!壊れるロボット!さらに基本プレイ無料!これはもうやるしかない!(広告動画より引用)。
「え〜〜、であるからして〜〜、故に〜〜」
という訳で今日は新作ゲームの配信日なのだけどもまさかまさかの入学式とダダかぶりという、おのれ入学式め…。
まぁさすがに初日から遅刻とかアレ過ぎるから日付変更と同時にダウンロードだけして即就寝からの入学式中なんだけどとにかく校長先生の話が長い長い。
こっちは入学式終わったら即直帰してゲームする予定なんだから早く切り上げて欲しい。
「それでは皆さん気をつけて帰ってくださいね。ではまた明日」
校長先生のながーいお話の入学式が終わり、教室に移動してから担任の先生の挨拶やらといったものもようやく終わった。
ちなみに私の席は後ろの出入り口側だった。大変グッジョブ。
(早く帰ってゲームしよー)
「なぁこれから皆でカラオケとか行かねー!」
あと教室を出る間際にこんな感じの声が聞こえた様な気がするけど私は気にせず直帰した。
ーーーーーーーーーーーー
新作ゲームの為にあったかも知れない青春の1ページを投げ捨て最速で帰宅した私はその勢いのまま着替えとお昼ご飯を済ませてゲームを起動。
利用規約やらなんやらをあれこれした所でゲームをスタートするとVRゲーム特有の深く沈むような感覚と共に視界が暗転し、気づけばお先真っ白な空間に私はいた。
それから少しして『Playerの作成を開始しますか?』と書かれたパネルが表示されたのでYES/NOのYESに触れるとーー
……アクセス確認……新規パイロットの登録及び制作を開始します………各種データを入力してください……
ーーというメッセージと等身大でリアルそのままの私が表示された。
つまりはキャラメイクのお時間です。
でもまぁこの辺は他ゲーで慣れてるからぱぱっと決めていこう。
まずリアルの身体データはそのまま流用、人によっては性別を変えたりムキムキになったりボインボインになる人もいるけど私は基本的に体型とかはいじらない。
動く時ものすごい揺れて邪魔だったし。
次に髪色をくすんだ金色、瞳は暗めの青色に変える。肌も少し青白いちょっと不健康な感じにして、髪型を目隠れショートから片目隠れロングに変更した。
最近はダークで闇堕ちな感じが私の好みなのだ。
服装はいろいろある中で高性能パイロットスーツってのがあったからそれを選択、カラーは白。
ただモデルの私を回転させて色んな角度から見るとかなりぴっちりしたボディスーツで肌触りはいいんだけどボディラインがはっきりくっきりしちゃうので重ねて一回り大きめの革ジャンとデニムのハーフパンツ、それと黒のブーツも選択した。
アクセサリー枠にはメカエルフ耳的な通信機と首かけフライトゴーグルを装着。
そして最後に名前だけどこれもいつも通り本名の『千春』をいじって『チャル』と入力しキャラメイクは終了。
今回の自キャライメージは闇堕ちエルフパイロット(耳欠損)、数少ない森の中に隠れ住んでいた所を機獣に襲われ里の皆はもぅ……みたいな感じ。
……登録が完了しました………続いてパイロット即育訓練プログラムを起動します………指定の位置に移動し機体に搭乗してください……
キャラメイクが終わると私の姿が闇堕ちエルフに変わる。
同時に真っ白空間から縦横線の入ったTheチュートリアルな空間に変化して床下から何とも言えない感じのロボがせり上ってきた。
半球形の頭部に赤く光るモノアイ、胴体はドラム缶みたいな寸胴体型、あまり肘が曲がらなそうな腕にずんぐりとした脚。
高さは……たぶん4〜5Mくらいで武装は右腕と同化した大砲のみ。一言で言うなら……棺桶?
そんな出撃したら絶対帰って来れなさそうな機体に近づくとドラム缶の腹部が開いてコクピットに乗り込む為のはしごが降りてきた。
……パイロットの搭乗を確認しました………これよりパイロット即育訓練プログラムを開始します……
まぁ、それはそれとしてやりますかぁ!
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