第6話 ご飯と睡眠
元の場所に戻るとヴォルフがいた。
果物がたくさん置いてある。
見たことないのもあるけど、美味しそうだ。
「こんなにいっぱい⁈」
「別に、目についたの取ってきただけだ」
「私だってこれぐらい……」
ぐぬぬ……と言い出しそうなラビ。よほど悔しかったのかもしれないな。ヴォルフには特に負けたくなさそうだし。
「ほーん?やってみろよ。おチビ?」
「チビじゃないわよ‼︎」
ラビが力いっぱい否定する。
そういう姿も可愛いなと微笑ましく見守った。そろそろいいかなと思い
「はいはい、喧嘩しないの。せっかく取ってきてくれたんだし食べよ?」
私はそう促す。ラビとヴォルフは口喧嘩をやめ大人しくなってくれた。
私は、ブドウ?に手を伸ばした。多分ブドウだと思うけれど、食べてみないとわからない。
それを口に運んだ。
「美味しい〜」
前に食べたのよりちょっとすっぱいけど、これも美味しい。
「気にいんのがあったんなら良かったぜ」
そう言いつつ自分も食べていくヴォルフ。
よく食べるなぁ、と思うぐらい次々と口に放り込んでいる。
「ラビも食べたら?」
「むぅ……いただきます」
ラビは少し口を開け、ちまちま食べる。
時々美味しい!という表情をしていたのが可愛い。
みんなが満腹になるまで食べた。
持ってきたのが多かったようで少し余った。けれど、次に回せばいいので問題はないだろう。
「ふぅ、食った食った!」
「そうだね。ちょっと眠くなってきたよ……」
私はあくびが出た。
するとラビも
「私もよ〜」
と、うとうとし始めていた。
「じゃあもう寝とけよ」
「いいの?ヴォルフ寂しくない?」
「ふはっ、寂しくなんかねえよ!」
「そっかあ。じゃあおやすみ〜」
私達はヴォルフにすがった。
もふもふには抗えなくて、目を瞑ったらすぐに寝た。
「ふっ、アホ面……」
と、ヴォルフの呟きが聞こえた気がしたけれど、もふもふに囲まれている中で起きれなかったので聞こえていないことにした。
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