非常に面白い視点で、目から鱗でした。武田家は元々国人領主の力が強くてその統制が困難だった事は知っていましたが、ここまでとは…。
信玄の生涯は、自分より弱そうな他国の国人領主の所領をちまちまとかすめ取り、その国人領主が逃げ込んだ先に進攻して強敵にぶつかり頓挫、すると方向を変えてまた同じ事をする…これを延々やっていた様に見えます。
この為戦域の方向が定まらず、結果兵力の逐次投入と同じ事になって、最終的に寿命が尽きた…。そんな感じですね。織田信長は経済的な拠点を握るのが上手く、信玄晩年には織田と武田のGDPの差は7倍近かったそうですから、信玄は相当なリスクを踏んで織田と敵対する方針を選んだと言えます。武田滅亡のレールを敷いたのは、間違いなく信玄ですね。
作者からの返信
感想ありがとうございました。
武田 信玄に求められていたのは略奪でしたので、そう見えるでしょう。
政権基盤の弱い中で、物流の整備を行い甲斐を豊かにする。相当頑張った人だと思います。
惜しむらくは政権移譲が中途半端だった点でしようね。
庶子が当主になるからにはかなりの根回しが必要な筈なのに、それを怠った。
そういう意味では、武田滅亡のルーツは武田 信玄とも言えるでしょう。
庶子で無位無官で政権基盤も弱い。どんな無理ゲーをやらされているんだと思わざるを得ません。
読んで頂きありがとうございました。
とても興味深い内容でした。
武田領が広大な広さに対して実りが少なく、どこまで拡大路線を進めても貧しい国であった事、海が無く塩がどうしても必要というのはなんとなく把握しておりましたが、そこに宗教とそれに関わる利権が絡んでいたのは全く知りませんでした。
にしても織田信長と足利義昭という組み合わせがやはり、天下を騒がせて引っ掻き回して乱世を更に乱世たらしめた張本人のような気がしてなりません。織田信長によってすべて平らげられて天下が纏まったのは結果論として。
作者からの返信
感想ありがとうございます。
政権基盤の弱さが武田 信玄の最大の弱点でしょうね。
だからこそ略奪を繰り返す必要があった。
そんな所かと思います。
織田 信長と足利 義昭の組み合わせはそう悪いものではありませんでしたよ。先代の義輝の方が酷過ぎたので、揺り戻しでそう見えるのでしょう。
何はともあれ、お金はとても大事というのが今作の本質となります。
読んで頂きありがとうございました。