生ける悪魔
蒼華 未来
悪魔への準備運動
第1話 スラム地区へ
俺は、今ギースという奴隷商人の元で生かされている。
飯は、1日1食のちっさいパン1つ。
寝床は、臭くてネズミとか小動物が蔓延っている所。広さはそーだな畳3枚ぐらいかな。そんな所に4人で生活している。
生まれて何年経ったかんて知らないが、同部屋の人曰く俺が来てから大体5、6年くらいと言われた。もう、この生活飽きたな。
なんて思っていると、
「おい!喜べ月1回のお風呂タイムだぞお!」
と俺らの監視係がニヤッと笑いながら来た。
そう、これは月1回寝床という名の牢から出れる唯一の時間である。
まあ、お風呂タイムとは言っても川で体洗うだけだかな。
しかしながら、これの時間を俺は待っていた。なぜなら、俺ら奴隷は、見た目も汚く、臭いため、監視係も近づきたくないようで監視がザルになる。
だから、逃げるならこの時しか無いと考えていた。
「汚ねーからあんまこっちよるな!」
と言われながらいつもの川へ案内され、
「じゃ適当に洗っとけ。」
なんて言って監視係は他の監視係とタバコを吸いに行った。
「すまない。みんな俺は逃げる。」
「ホッホ。そうかい、気をつけるんだよ。方角はあっちじゃぞ。」
「…。」
「…。」
一応と思い、同部屋のみんなには去る旨伝えた。
老人には優しい言葉を貰い、他2人は無言だった。
「じゃ。」
と言い残し俺は、走った。ひたすら走った。
裸足で足の裏から血が出ても走った。
ある目的地までたどり着けばこっちのもんだからな。
そこは、スラム地区である。
同部屋の老人から聞いた話だが、ここはグレムリン帝国帝都グレムリンの北側にある商業地区という場所らしい。
そんで、奴隷商から逃げるなら西側の遊戯区にあるスラム地区に行くしか方法はないと言われた。流石に、老人もスラム地区に行ったことはなく、どんな場所かは見た事がないと言っていた。
なんて事はさておき、どれくらいで走ったかは分からない。
だけど、遂に来た。スラム地区に。
老人に、「どんな場所かは知らんが、入り口に大きな鳥居があるからそれを目印にしなさい。」と教えて貰っていたおかげで、俺がスラム地区に着いたことが分かった。
よし!ここからだ。俺の人生再スタートお!
なんてイキがってたことが恥ずかしい。
ここは、良くも悪くも自由で最悪な場所だった。
殺人、レイプ、窃盗などなどあらゆる犯罪が蔓延っていた。
スラム地区をちょっと歩けば、おそらく死んでるであろう人が横たわっていたり、また少し歩けば1人の女性が4人の男性にレイプされていたり、また少し歩けば俺と同年代くらいの子が大人を殺して所持品を漁っていたりする場所。
はぁ。俺生きてけっかな〜。少し自信を無くしたが来たからには、やり遂げなければならない。
パン!と頬を叩き気持ちを切り替え、
とりあえず今日の飯を探しに行くか!と心の中で今日と目的を決めた。
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