第52話 俺ニート、ついに昇格権利を手にする

そうか……だからアリスは最初の時に言っていたんだ。


必ず担当者と利用者の性別が異なるのなら、


恋心を抱いてしまうのも無理はない。




ん……待てよ!


ってことはペリーが俺に死を依頼するように頼んだ人は……


『女性』ってことになるよな……


スピアルは男だからこれに当てはまらない。




ということは、ジョナサンの本名こそがSの犯人なのか!?




「お話聞かせてくれてありがとうございます。これで聞きたいことは以上です」




「わかりました。それではもう帰っても大丈夫ですか?」




「はい、お疲れ様でした。それからペリーの件、疑ってしまってごめんなさい」




「いえいえ……」




もう用がなくなったスピアルを玄関まで見送った。


すまんなスピアル……最有力容疑者だと思ったんだけどな。




さてこのまま、ジョナサンに本名のことを聞いてもいいと思ったんだけど、


今日は少し疲れたので、明日にすることにした。




このあとは趣味を満喫して、今夜もバトルを頑張らないとな。


また前みたいに俺に殺意を持って挑んでくる相手が来るかもしれない。


その可能性は……戦いを重ねるごとに大きくなっていくのだろう。




その後特に大きな出来事はなく、趣味を満喫し、食事と風呂を済ませて、


22時を迎えたのである。




「さあ淳一さん今日も頑張りましょうか!」




「はい!」




今回の相手は剣、目の前の剣に集中しないとな。




「今回は剣を持ったまま攻撃してきませんね」




「きっとこちらの様子をうかがっているんだと思います」




「せいやー!」




剣を素早く横に振った。


間一髪で交わすことができた!


服が若干切れてしまったが、けがはない。




バーン!




もちろん振った後の隙を逃さず確実に一発撃ちこむ。




「そんな……この俺の伝説も8回までだったとは……」




8戦も戦ってきた相手に勝利した。




「アリスさん。今日も勝ちましたよ!」




「おめでとうございます。そして淳一さんにご報告があります」




「……?」




その報告を聞く前に、俺たちは現実に戻される。




「今回の戦いで、無事淳一さんは『リーグ昇格権』を手に入れました!」




(…………)




ジョナサンが言ってた例のあれが、ついに来たのか。


あまりにも突然で、うまく喜びを表すことができなかった。




「どうしますか?早速昇格権利を使用しますか?」




「使用するとどうなるのですか?」




「明日の戦いが特殊なものになります。勝利することができたら昇格が認められます!」




「昇格のメリットとデメリットはありますか?」




「メリットはもらえるお金が増えます。その他に特典もつきますよ。デメリットは……相手が強くなるってことですかね。強者ぞろいになりますから」




「なるほど……」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る