第50話 俺ニート、スピアルを告発してみる
「おはようございます。淳一さん」
「おはようございます」
昨日長いバトルをした上、衝撃の真実を聞いてしまったり、
足をけがしたりで、実は眠れないんじゃないかと思ったが、案外あっさりと眠ることができた。
そしていつものもっちもちなパンを食べて1日が始まる。
「あの……淳一さん?」
「はい」
「本日のバトルには参加しますか?それともレガトゥス宣言でお休みされますか?」
「ああ、その話なんですけど、参加します。足の痛みがだいぶ引いてきたので」
昨日痛かった足の痛みは、かなり減っていた。
まあ踏まれただけだから、骨折してない限りすぐ治るものなんだろう。
そしてパンを食べ終えて、少し経った頃、いつものようにアリスが出発する。
「それじゃあ淳一さん、いってきますね」
「はい、いってらっしゃいませ~」
さてアリスも出発したし、スピアルを迎える準備はできたのだが、
問題はスピアルが何時に来るかであった。
LIMEにて今日来ることは確定だが、何時に来るかを聞いていなかったのだ。
(…………)
まあ別に今日は特に外出の予定ないし、いつ来てもいいんだけどな。
……そしてスピアルを待つこと、1時間。
ピンポーン
「はい」
「こんにちは、僕はリバーサル社で働いているスピアルです。開けてもらえませんか?」
「わかりました」
ついに俺とスピアルが出会うことができた。
そう……ついにペリーに俺が死ぬように命じた張本人とのバトルが始まる!
「それでは失礼します」
スピアルはペリーと違って、執事っぽい服を着たりはせず、
よく見かける普通の格好という感じだった。
「今回ここに来たのは、三上さんが村上さんに、僕が三上さんのお宅を訪問してほしいと頼んだからということになりますが、これで合っていますか?」
「まあそんなところです」
ジョナサンが自分から、スピアルに俺の家に来るようにお願いした、という話は黙っておこう。
「わかりました。それでご用件とは何でしょうか?」
「……スピアルさん、あなたはすごいですね」
「……?」
「ペリーと結託して、俺にひどいことを命じておきながら、よくそんな平然とした態度を取れますよね。もはや尊敬でしかない」
「あの……どういうことでしょうか?」
そう言われた俺は、例のメモをスピアルに見せた。
「ここに書いてあるSというもの。俺の知り合いにはあなたしかいないんですよ!俺の家族や友達は、皆苗字と名前にSがつかないんでね~」
「…………」
「それに、一度も会ったことも聞いたこともない相手が犯人だとは思えないので」
「なるほど……ただごめんなさい。それ僕が指示したわけじゃないです」
「なんだって!?」
「僕はSではあるのですが、ペリーさんに淳一さんが死ぬように促す指示はしていません」
(…………)
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