きみと流星

菫野

きみと流星

コンビニは吐き出すきみが水彩の銀河を抱いてゐると知らずに


みつ編みを自分で切つたゆふぐれのラムプ岸辺に灯りつづける


無花果をさわりと割つて疾き皿の絵となす鶸が一羽鳴きをり


壜底のバターこそげるシリコンのスプーンがいま掬ふ素粒子


深皿にスープをよそひ粒つぶの午前三時の細胞つなぐ


底無しの夜を飼ひをりの奥に仔猫のごとき首輪はめつも


誠実な笛吹きをとこリゲルにて少女百人さらひをはんぬ


夢に来てアロマンティックのオフェリアが野の花のごとわれの髪編む


恋愛はひつようなの? と問ふひとの捉へがたきはきみと流星


瞼開くやうに世界が消ゆるとき一角獣は涼しいけもの

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きみと流星 菫野 @ayagonmail

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