第2話 街

「お〜」



 だらだらと歩く事1時間。



 とうとう街に着いて門の前の行列に並んでます。



 街だ街だ!


 酒だ!



 とかいうくだらない思考をしながら煙管を吸う。



 あ〜……………


 身体に沁みる。


 疲れた時はこれに限るね………



「おい!そこのお前!」



 にしても進むの遅いね………



「おい!お前だぞ!」



 あ、煙管に入れる煙草の葉無くなっちゃった………どっかで薬草でもちぎって突っ込んどこうかな…



「白髪のチビ!お前だぞ!」

「誰がチビだって?!」



 このうるさい衛兵め…!?



 チビチビ言ってるけどこれでも身長150はあるぞ!?



 衛兵、お前がデカイだけだろ!?



「その横に浮かんでるのはなんだ!」

「………さっき殺した盗賊団のボス。 お金が欲しくて持って来た」



 浮かばせて来たのが正しいかな…?

 まぁなんでもいいんだけど。



「盗賊団…?お前みたいなチビがこの大男を殺したのか…?」

「これでも15だよ???」

「15にしては小さいな」



 え゙…?



 僕、小さいの…?



 いや、盗賊団のボスが居るからそう見えるだけの筈だ…………!



 こいつ多分身長2m有るし。



 うわ、そう考えるとなんかイライラして来た。



 冥府に行けず、輪廻の輪にも入る事が出来ず、永遠に想像を絶する痛みと苦しみを味わう呪いをこの死体の中の魂に掛けてやろうか。



 まぁ疲れるからやらないけど。



「おい、チビほんとにお前がこいつを殺したのか?」

「そうって言ってるじゃないですか」

「ふむ…なら少し詰め所まで来てくれ」

「来て欲しかったらお金をください」

「安給料の衛兵にそんな事を求めるな」



 衛兵って給料安いの…?















 あの後詰め所の小さい部屋に入れられて待たされてる。



 結構時間経ってるけど………?



 まぁ甘味のお菓子くれたから良いけど。



 いや、出来れば酒が良かったなぁ……。



「待たせたな」

「お酒かお金ください」

「黙れ」



 あれ………?



 なんか僕の扱い雑になってない………?



「さっき引き受けた死体の奴が引き連れてた盗賊団の名前と賞金がわかった」

「名前なんかどうでも良いからお金を…!」



 出来れば金貨を!



 金貨が有れば1ヶ月ぐらいはめっちゃお高いお酒に浸った生活が出来るから!



「…あれは赤銅盗賊団とか言う奴らの首魁で狡い窃盗を1度だけした馬鹿の集まりだ」

「へぇ〜…………」



 そんな事よりお金を………



 ん?



 窃盗1回しただけ………?



 じゃあ…………



「賞金だがまぁ1人で良く頑張ったと言う事で色を付けて銀貨2枚だな」

「…………ちょっとさっきの死体貸してくれません?」



 1回本気で呪うね。




 銀貨2枚…………エール1杯で大体銅貨2枚…



 銅貨100枚で銀貨1枚…



 エール100杯分………



「ずぐな゙い゙! こんなの1晩で無くなっちゃうよ!」

「煩い、黙れ。

 1晩で無くなるのは知らん。と言うか普通は1晩で銀貨2枚も使わんぞ…?何に使うんだチビ…?」

「酒」

「くたばれ」



 酷い…!



 ほんとに衛兵なのかこの人…!



 取り敢えず…



「今日此処泊まって良いですか?」

「駄目に決まってるだろう」



 そう言いながら首を掴まれ、詰め所の外まで引き摺り出された。



 どうしよう……………



 お酒呑むから宿に泊まるお金が無い…!






 野宿でいっか。












 鉄貨1枚=十円


 銅貨1枚=百円


 銀貨1枚=一万円


 金貨1枚=百万円


 鉄貨100枚=銅貨1枚


 銅貨100枚=銀貨1枚


 銀貨100枚=金貨1枚




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