第4の章「盆踊りと、ナナサンと、楽しいひと時」 4
「あまりあいつにこの世界に興味を持たせるな。難しいかもしれないが、それはあの見た目のせいだ。線引きをしておけ」
「なんでそこまで……」
「あいつの話をある程度真実とするなら、
俺はびくりとした。やっぱり一号は知っていたのか。よくわからなかったあの話を、理解してるってこと……だよな。
「キョジンってなに?
五号が戸惑いの声をあげる。それはそうだ。見回せば、みんな不安そうな顔をしている。
「……わたしが予想しているというか、あいつのわけのわからない話を総合的にまとめたものになるが……ナナサンは今は
ん? わからないの? え?
「あいつは猫とまたたびの
えぇ!
俺を
「何度か殴ってみたが、どう見ても人間の外見だ」
おいおい! この人やっぱ無茶苦茶してるじゃん! 暴力反対!
「出会った頃はもっと人間みたいな反応をしていた。だが今は、なんというか……ぼやっとしてる。本人は意識とか意志とかが
殴り過ぎだと思うんだけど……誰もツッコミ入れない……命は惜しいしね。わかる。
「意識が薄まってくると、濃くしようと勝手にそういう行動に出るらしい。あいつは大丈夫だと言い切ったが、それが信用できるかどうかは別の話だ。絶対に大丈夫なんてことは、ない。
この世界に興味を持てば持つほど、この世界に居ようと
???
「そうだな。それがしっくりくる。あいつは腹ペコで、食事をしようとしてる。だが、わたしたちはそれを阻止してあいつを
なにを
「猫とまたたびを食べただけでは満足できないし、消化するから、別の食べものに手を出す。どんどんエスカレートしていき、満腹状態になったやつが虚人だ」
…………え? ちょ、え? 全然わからないんだけど!
「え、と……つまり、質素な野菜サラダからどんどん食事のグレードをあげるってこと?」
四号が必死に考えてる!
「で、えーっと、結局その虚人ってどういうもの? 満腹ってことは、食べるってことだよな?」
「味が濃いものに手を出すということだ。この場合は、感情、ということだったが……複雑で強い感情を持つのは」
一号がこちらに視線を戻した。
「『人間』だ」
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