ゆるふわな天使の学園物語もしくはどたばたな6人の勇者たち

水羽こはく

第一話 期待の夜

ここは小さな少女達が暮らす、孤児院兼学び舎である“黎明れいめい学園附属孤児院”。孤児の中にこそこそと寝る前のおしゃべりをする2人の少女がいた。“真白ましろ”と“音羽おとは”だ。


「ねえ真白、今どんな気持ち?」

「ん~....やっぱり、少しドキドキしてるかな」

「やっぱ、そうだよね!! よかった、私だけじゃなくて」

「ふふ、そんなこと気にしてたの? 音羽ちゃんらしくないなぁ」

「だって、だってだって!!!」

「でも、楽しみだね....私たち、ちゃんと立派な使になれるのかな」

「真白こそ、めっちゃ心配してるじゃーん!! まぁ、やってみなきゃわかんないよ!」

「うん....そうだよね。じゃあ、そろそろ寝ようか、そろそろ梨里花さまも来てしまうだろうし」

「おっけー、おやすみ、真白」

「おやすみ、音羽ちゃん」


私の名前は結城ゆいしろ音羽。物心ついたころから一緒にいる親友、真白におやすみを言って、ごそごそと自分のベットに潜り込む。

そう、ここは黎明学園“附属”孤児院だ。附属ということは大体の子たちがその学園に通うことになる。私も、その1人。もちろん、真白も一緒。というか、真白が一緒だから今だって、落ち着いてゆっくりと眠りに入ることが出来る。もし、ひとりぼっちで知らない人たちの中に行くなんて、考えるだけでぞっとする。いつも大好きだよ、真白。

そんなことを考えていたら、横から寝息が聞こえてきた。まだまだ心配はあるし、緊張してるけど、寝ないと。ずっとず~っと憧れた入学式だもん、眠い中参加するなんて絶対にダメ。明日に期待して、もう寝よう。

素敵な出会いがありますように。真白とこれからも仲良くできますように。色々願いながら、私はゆっくりと、眠りについた。

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