第8話 猫好きは無視される
猫耳の生えた白尾さんを撫でた土曜日から、1日空いた月曜日。
日曜日を間に挟んだお陰で冷静になった私は、とある疑問が浮かんだ。
(…私と白尾さんの今の関係ってなんだろ?)
頭を撫でさせてもらったけれど、あの時は私が夢中になりすぎたせいで逃げちゃったし…でも、「猫見さんは特別」なんて言ってくれたから、もしかしたら友達ぐらいにはなってるのかもしれない。
それを確かめる為にも、私は今までしていなかった事をしようと思う。
そう決めた私は、教室に入ってから自分の席ではない方向に歩を進めて…
「…白尾さん、おはよう!」
自分の席で本を読んでいた
日曜日に私と白尾さんの関係性について考えていると、そういえば、私は白尾さんと話した事があの時以外1度も無い事を思い出したのだ。
もしも土曜日の1件で少しでも仲良くなれているなら、流石になにか会話が繋がったりするかもしれない。
…そう考えて実行した挨拶だったが…
「………」
白尾さんは1度チラッと私に視線を向けただけで、それ以降なにかを話すような素振りもなく、本に視線を向け直してしまった。
……………無視?
…いやいや、もしかしたら聞こえなかっただけかもしれない。
「白尾さん、おはよう!」
「……………」
もう1度した挨拶には、今度は視線すら向けてくれなかった…
(流石に無視は予想外だよ…もしかして、私あの時に嫌われちゃった…?)
これ以上は埒が明かないと思った私は、とぼとぼと自分の席へと戻った。
その後も。
─────
体育の時には…
「白尾さん!運動前のストレッチ一緒にやらない?」
「……」
無視!!(泣く泣く美優ちゃんと組んだ。私の身体の柔らかさに、いつもの事ながら驚いてた)
──────
美術の授業では…
「白尾さん、似顔絵のスケッチ一緒にペア組まない?」
「……」
無視!(体育と同じく美優ちゃんと組んだ。凄い集中して描いてくれて、少し恥ずかしくなった)
─────
お昼休みにも…
「白尾さん…一緒にお昼ご飯とか…」
「……」
白尾さんは、お弁当箱を持って何処かに行ってしまった…
また無視……
─────
「…グスン」
「奏多…さっきからなんで白尾さんに絡みに行ってるんだ?」
結局また無視されて、今日もいつもと変わらず美優ちゃんと2人きりでお弁当タイムである…
「…土曜日に白尾さんに偶然会ってさ…、一緒にお話したりしたから、少しは仲良くなれたと思ったんだけどね…?」
「話しかけたら全スルーされた…と」
「うん……大正解…うぅ…」
「ほらほら、泣くなって…」
「…美優ちゃん」
美優ちゃんが落ち込んだ私のことを撫でてくれた…白尾さんに無視されて削られたメンタルが、みるみる回復していく……
「…ありがとね。美優ちゃん」
「これぐらい気にしなくていいって。てか、奏多はなんでそんな白尾さんと仲良くなりたいってなってんの?確か先週までは、あまり興味なさげだったよな」
「それは…」
頭の中には、あの時撫でた白尾さんのもふもふの猫耳をもう1度撫でたいって考えも勿論あるけど、それよりも…
「…土曜日に話した時にさ、白尾さん、笑ってくれたんだ」
「…あの白尾 咲希が…?」
「うん。それでね、その時の白尾さんの顔がとっても可愛くて…綺麗で…」
やっぱり…
「あの笑顔を、もう1度で良いから見たいって…そう思ったの」
あの時の、一緒に話していた時に見せてくれた笑顔が何故か心にずっと残っていて。それをもう1度見たい…それが1番の理由だと、奏多は自分の感情に結論をだした。
「…そっか。まぁ、そーゆう事なら頑張れよ!奏多なら白尾さんとも仲良くなれる気がするし」
「美優ちゃん…うん!頑張るね!」
「あっ、それでもこれだけは約束してくれ」
「ん?」
美優ちゃんは急に真剣な顔になって…
「白尾さんと仲良くなったとしても…私ともちゃんと遊んでくれよ…?」
(…美優ちゃんも可愛いな??)
「…美優ちゃんも可愛いな??」
「…恥ずいからやめろ…」
少し照れた顔でそんな事を言ってくる美優ちゃんに、「白尾さんと仲良くなったとしても美優ちゃんとの絆が切れる訳ない」って誓いと、「美優ちゃんの可愛さ」の2つを熱弁しながら今日のお昼休みは終わった。
…熱弁してる途中で美優ちゃんにデコピンを食らった。なぜ??
✂︎- - - - - - - -キリトリ- - - - - - - - - - -
もしも読んでくれた人がいるなら…
初心者の初執筆なので、言葉の違和感や誤字などがあるかもしれません…もし見つけたら遠慮なく指摘していただけると助かります!
リアル&初執筆で更新頻度も不定期ですが、続きが気になるって思ってくれた人がいれば嬉しいです。
[作者コメント]
作者は美優ちゃんも結構気に入ってたりします。あと最近この小説に少しシリアス入れるか悩み中…既にどんな要素入れるかはほぼ決まってるけど、一応まだ未定
新しく連載投稿した「余命宣告された少女はナンパ女と最後の時を過ごす」も読んでくれると嬉しいです。
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