余命宣告から始まる物語

ビル

第1話

「誰か、誰か、救急車を呼んで頂戴。あ、そうだ美代子。あなた救急車呼ぶのお願いね。」

「わかったわ」

このようなやり取りがあるのは商業施設が立ち並ぶ通りだ。美代子が救急車を呼ぶこと5分後、その場に1台の救急車が入ってきた。救急車を必要としてるのは由紀子だ。じつはこの3人は今夜限りの間になるはずだったが今後とも仲良くしていくことになるのである。

──ここは近くの大学病院。

「ご家族の方ですね。残念ながら娘さんの命は持って3か月です。彼女はすい臓がんステージ3です。今はよくお眠りになっています」

「そうですか、先生今後ともよろしくお願いします。それから救急車を呼んでくださったお二方、ありがとうございます。よろしければこの後お部屋で少し話しましょう」

医者とはここでわかれ由紀子の部屋に向かった。

「お二方、名乗るの忘れていましたね。わたしは阿部京子です。由紀子の母で政治家しています。助けてくださりありがとうございます。よかったら目が覚めた後に声かけてやってください」

「はい、ありがとうございます。わたしは藤堂美代子です」

「私は高島ゆうきです。当院で看護師をしています」

自己紹介が終わったころに由紀子は目を覚ました。

「こ、ここは・・・?」

「ここは病院よ。あなた倒れてたの。そこで美代子さんとゆうきさんが助けてくださったのよ」

「そうだったの・・・。お二方ありがとうございます。よかったらお礼させてください。連絡先交換しましょう」

連絡先交換までしてもう夜遅かったため別れた。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る