僕の好きな怖いもの
あげあげぱん
第1話 アガリビト
あげあげぱんと申します。
今回からエッセイ? と申しますか、僕の好きな怖いものを紹介しよう。というつもりで、このような連載を始めるに至りました。
早速ではありますが、今回紹介するのは【アガリビト】という話であります。
おそらく某掲示板から広まったこの話。僕のペンネームもこの話から拝借していたり、していなかったり、印象深い話であります。
この話の導入を簡単に説明しますと、何より怖いものは人間、という始まりから語り手が山へ行ったときの話へと繋がっていくのですが。
語り手が山で出会った奇妙な人間。その人物は野生に帰ったかのように何も身に付けておらず、妙な鼻唄を歌いながら、語り手を襲うのです。そうして、語り手は命からがら逃げ帰ったという話です。
ホラーというのは雰囲気が大事なものですから、僕の説明ではこの話の怖さは全然伝わっていないものかと思います。気になった方には、詳しい部分は某掲示板のまとめなりで調べてもらうとして、僕なりにこの話について思うところを話してみようか、などと思います。
山で得体の知れない何かに襲われるという話はよく耳にしますね。ヤマノケですとか、ヒサルキですとか、山に住む怖い何か。というのはホラーの鉄板ネタのひとつです。
よく、人は理解の出来ないものを恐れるとは言いますが、アガリビトも理解の出来ないもの、あるいは理解のしたくないもの、なのではないでしょうか?
アガリビトは人が自然に帰ってしまったもの。あるいは、そのように見える何か。であるわけですが、アガリビトのテリトリーである山は人が暮らす集落とは別の、分離された世界です。
山の世界というものは、集落に暮らす人からすれば多くの未知を含んでおり、言い換えれば、理解の出来ないもの、理解の出来ない世界になるのでしょう。
人はずっと昔、大昔は自然の中にあって、自然の世界をよく知っていたと思います。ですが、人は集落を作るようになり、長い時の中で、自然から離れた存在へ変わっていきました。
もちろん、自然を人間社会から完全に分離することは出来ませんから、自然と人との境界のような場所は存在します。ですが、境界から一歩越えた先は互いに領分の違う世界。林業など、自然の世界へ入っていく人も、仕事が済めばこちらの世界へ戻ってくるものかと思います。
アガリビトとは、そのような二つの世界の境界を越えて、完全にあちら側の世界へと行ってしまった人なのでしょう。遠い世界、別世界の住人だから、アガリビトを人は恐れるのではないでしょうか?
今回の話はここまでとします。
こんな感じで、僕が好きな怖いものについて、時々エッセイを書いていこうと思います。
よろしくお願いします。
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