第4話 グレーの髪色した不良少女(1)
「痛い! 痛い! 痛いよ……」と。
「辞めて! 辞めて! 辞めてよ! お願いだから! 辞めて……」
僕の口から今日も悲痛な声が漏れる。
だって僕は今日も自身の髪をグレー色に染めたヤンキー少女から嫌がらせを受けているのだ。
僕は彼女達に対して何も悪いことなどしてはいない。只ある人の下知で僕は今日も学園の売店にてお昼のパンを購入──。僕は時間制限内で教室へと戻らないといけないから、慌てて教室へと向かう最中だった。
なのに? 彼女は僕へとまた今日も嫌がらせだ。
それも自身の口の端をニヤリと吊り上げ、意地悪く微笑むのだ。グレーの髪色した少女はね。
でッ、その後は?
僕の口から悲痛な叫びや許しを乞う言葉が漏れ続いている通りだ。
「わっ、ははは」
「あっ、ははは」
「マジで、仲頴の奴、コロコロ転げて、やんの、笑える」
「うん、張繡の言う通りで笑える。笑える。あっ、ははは~」
「張繡~。今、上田の身体、転げた瞬間にボールみたいに跳ねなかった?」
「うん、跳ねた! 跳ねた! マジで仲頴の身体がボールみたいに跳ねる瞬間を、アーシは見たからね」
「ああ、張繡~。うちも見た、見たよ~!」
「張繡~、マジで受けるね~。上田の奴は~」
「本当に仲穎の奴はキモイ、キモイんだよ。こいつは~。あっ、ははは~」
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