僕は魔王董卓仲穎だ! お前等かかってこいよ! オラオラ! と肩を振って威張り歩きたいけれど……

かず斉入道

第1話 プロローグ(1)

「仲穎~、早くいってきてぇ~!」

「わかったよ、リちゃん、直ぐに行ってくるね~」


 僕は幼馴染の彼女に今日も昼食を購入してくれと嘆願をされて学園の売店へと向かう。


 それも彼女の財布のお小遣いからではなく、僕の財布のお小遣いからだから。僕は彼女のお財布君……。


 まあ、と呼ばれる情けない男……。彼女は我が校……。長安学園の生徒会長であり、女王様でね。もしも僕が彼女に逆らえば、女王様の取り巻きのスポーツ科のヤンキー兄ちゃんやヤンキー姉ちゃんに僕は何故か? 悪い事すらしていないのに袋叩きに遭い、顔や身体中に痣が出来るくらい虐められてしまう。


 まあ、それぐらい虐められる訳だから、学校の先生へと報告するか? 警察へと報告して傷害事件として取り扱ってもらえば良いのでは? と言う事になるのだが。


 今のこの時代はね、西暦2100年になる日本と呼ばれている国なのだが。この国はね、100年以上も前から近い将来少子高齢化になると言われ、現実になったのだと思う?


 だから日本の政府はヨーロッパ連合EUやアメリカ等の各国では移民政策を中止にしていく様子を見せていたらしいのに。その当時の総理大臣達が何故か? 世界と真逆な移民政策を急速に進め──。

 この国は名ばかりのと呼ばれる国へと変わり、総理大臣や各大臣……。参議院議員や衆議院議員……。各都道府県の知事や市長、議員さん達も何処の国の人だか、未成年の僕では解らない状態だから司法や警察も他国の人ばかりなので、日本人の僕が先生や警察に訴えかけても、素知らぬ振り……。


 仮に僕が先生や警察署で事件にしてやると騒ぎ立てても、「君を虐めるのは日本人かな?」と尋ねられて。


「いいえ、他国の人達ですが、何か?」


 僕が仮に尋ね返したとしても。


「事故に遭ったのだと思って諦めなさい」と。

「日本人の君がいくら、事件にしょうと騒ぎ立てても誰も相手にしてくれないから。諦めるように」と、大人達が、にへら笑いながら言葉を返してくるだけだから。

 幼馴染達の僕への執着した虐めの方は只ひたすら耐え忍ぶしかない。


 まあ、そんな日本と何とか、他国から呼んでいただいている国だから、各都道府県……。何処もかしこも大変に治安が悪く。御日様が高い時間帯から強盗、恐喝、傷害事件だけならば良い方で、弱者虐め……。


 そう女性や幼い子への痴漢や強姦……。人攫いなどの事件も多発するほど、この日本と呼ばれていた国は治安の悪化状態……。


 だから日が暮れれば普通の人達は老若男女問わず街を歩かなくなってしまった。


 だって日が暮れれば殺人も多発するような無法地帯へと、どの都道府県も変化してしまった。


 だからこの日本と呼ばれていた国の過去を知る人達は、大変に平和で過ごし易い国だったのだと嘆くのだが。

 多国籍仕様と文化で治安も悪く荒れに荒れたこの国で産まれ、この齢……。高校二年生へとなった僕達にそんな事を言って嘆かれても、ピンとこない。

 皆自分の身を守るのが精一杯だからね。でもさ、そんな暗闇の世を嘆いていても皆しょうがないからと。

 今のこの世は各都道府県に警察意外の自衛団……。各町村の青年団による自衛団……。


 そう地元の弱い人達を守ろうと、国の方針を無視して、武力は武力によって守ろうと立ち上がる。


 だから各校……。今のこの世はね、昔は存在していたらしい公立、市立の中高校は無くなり。国からの援助や授業料が無料化していた私学高だけが残っている状態でね。各校も自分達の学園の真面目な生徒を守るために、生徒会で自衛団……。徒党を組むようになるから。昭和の時代のような、地元単位や学園単位で、荒々しい気質の愚連隊や暴走族……。


 そう、自分達の学園や地元の者達を守る者達がヤンキー化……。昭和の終わりの頃のようにヤンキーばかりとなれば。先程も説明をした通りで昼夜問わず、他民族のヤンキー達の抗争が激化する。


 でも、そんな中で、各都道府県の他民族のヤンキー達の中に過去の英霊達……。


 そう、昔この日本で流行ったらしい異世界ファンタジーな冒険譚の転生……。生まれ変わり……。証を持った者達が何故かこの日本と呼ばれた国で集中して産まれ。その者達が、自分達が持って産まれた魔力を呪術に変え、力づくで、ヤンキーや学生達の抗争を押さえ、闇に潜む悪しき者達をも修正──処理していくものだから。

 この国の治安も英霊を持つ者達のお陰で、徐々に回復していく。そんな最中に各都道府県の中の名士達が自分達の暇つぶし……。


 そう自分達が持つ闇のマネーを学園の援助金として賞金にし、英霊達が持つ能力を使用させて学園同士の抗争を再度再開させ、競わせ、気に入った者がいれば、自分達が寄付をしている党の議員へとさせ、また操り、この国を裏から支配をしては楽しんでいるような時代だから。

 弱くてハーフな僕は幼馴染達にこれ以上苛められたくないので、生徒会長女王様の御機嫌取りのために。只今、このの売店へと惣菜パンや菓子パンを購入するために、今日も僕はこの巨躯で「はぁ、はぁ、」と息荒く向かっているのだった。



 ◇◇◇



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