第36話 手紙、書きます。
お元気ですか?
悲しいことがあると、あなたのこを考えてしまいます。
仕事の契約、切られましてね。
二ヶ月でしたが、がんばった結果が、これです。いい職場でしたよ。先輩は、質問したら、親切に教えてくれるし、いやらしいひとがいませんでしたしね。それだけで、充分でした。
仕事は、難しかったです。ヘトヘトになって、がんばっても、時間内に間に合いませんでした。
家に帰ると、友だちにLINEしまくって、疲れを癒すんです。なんだかんだ言って、充実してました。
生活費のことも、悩みがなくなりましたしね。給料で、全部、まかなえるんですよね。助かりました。
あなたのことも、忘れませんでした。届かない手紙を書いたこともあります。
夜も、無事、ねむれてました。ときどき、変な夢も見ましたが、その後、また、布団に入るとねむれてました。
朝も、早起きです。 仕事、ギリギリまで、ねてましたが、職場が家から、バスで、十分のところにあったので、遅刻することはありませんでした。
なんでだろ。嫌いじゃなかったのにな。あの職場。もう、ドロップアウトです。
また、職探しですよ。
あなたからも、遠退いちゃいました。いや。なにしてたって、結局、あなたとぼくは、遠退いちゃうのが、関の山だったのかも知れませんね。
明日から、ひまになるんで、また、あなたに手紙書きます。
そうそう!母にも手紙を書かなきゃね。
もっと、いろんなひと、手紙を書かなければいけないのですが、それも、そんな余裕がなくなりそうです。
当分、あなたと、母です。
手紙、書きますね。
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