第25話 疲れがたまっている、あなたへ

毎日が仕事。決められた時間。決められた日に帰ってくる。そんな日常に飽きたあなた!ちょっと、スリルを味わう方法があります!



スマホを家に置いて、街に出かけましょう!



そんなん嫌やわ、とか言うあなた!一度、やってみんさい!

普段と変わった日常がやってきます!



ぼくは、スマホを置いて、マクドナルドへ行ってみました。ぼくの家からは、バスに乗ってでしか、マクドナルドへいけません。

バス停でバスを待つ間。

やることがありませんでした。ふと、バス停の予告表を見ている、二人組の女性たちがいます。



京都のバス停は、たいがい、次バスが来そうなとき、ランプがついて、「次来ます」と知らせが入るようになってます。

京都に住んでれば、それが当たり前になります。予告表示を見て、「これは便利やなあ」と言っている女性たちがいました。

普段なら、スマホでも見て、夢中になっているところ。この二人組を見て、ぼーっと、「なに言うてはるんやろ、この人ら」と考え、そっか!地方からやって来はったんやわ!と答えが出ます。そう。

普段なら、気にもとめないことを、スマホを持たないことで、考えてしまうのです。



そして、家から出てくる前、グループLINEで

「このちゃらんぽらん!」と暴言を吐いた、友だちのことを考えます。

あの友だち、どんなことばを返してくるかなあ。返ってきたら、すぐ謝らないとなあ、と考えたところで、もう関の山。

だって、そのスマホは、もう手もとにないのですから。後悔しても、はじまりません。



バスが来ました。飛び乗ります。



バスのなかは、当然、スマホをいじってるひとばかり。なんの情報も入ってきません。

のんびり、席に座り、ポスターなどを見て、情報収集します。バスにはってある、ポスターなど、最近見ましたか?見てないでしょう。

従業員の募集。カルチャースクールの募集。そんなのが、つらなってます。おっ!英会話スクールの募集。

ちょっと、行ってみようかな!と誘われます。

ところが、なーんだ!授業料、高過ぎ!と、すぐあきらめます。



バスの走ってる音が聞こえてきます。目を閉じてみると、心地いいメロディーに!

あ、そうだ!

今日、雨、降るのかな?と、途端に、スマホをかばんから、探そうとして、あ、そうだ、持ってきてないんだ......。とあきらめます。


バスにゆられ、その心地いい、エンジン音のメロディーに、うーん。な~んか、眠くなってきたぞ。寝よっかな。と、目を閉じ。そのまま、寝ちゃうんですねー。

ぼくは。普段の疲れが、たまってるんでしょう。


あ!マクドナルド、追い越した!!

と気付き、次のバス停で!



歩いて、運動になりました。マクドナルドにつくと、ざわざわ。なんか、スマホを持ってないから、からだが、宙に浮いてしまいそう。

カウンターで頼み、そわそわしています。少し、挙動不審気味です。なんとか、注文を終わらせ、「そうだ!このこと、カクヨムのネタにしよう!」

と思いついても、どうにもなりません。

カクヨムを開けることもできず、ボーッと、バーガーをたいらげます。


さ!帰るぞ!家では、スマホが待っている。LINE!返さなきゃ!

あんな、LINE送っちゃって!



晩ご飯を食べ、家に帰ります。



また、バスに乗り、LINEのセリフを考えます。なんて、返ってくるかな~。

なんて、謝ろうかな~。あ~、わかんないや!

あ~、もう、めちゃくちゃだ!と、頭のなかが、心配で、心配でたまらないのに、なんだか、いつもは、機械で頭を忙しくしてたのが、シンプルに動こうとしています。

やっぱり、「ごめん」の一言がいいな!

よし!それでいこう!決心をバスのなかで固め、家に帰ってきて、スマホを開けてみます!



すると、

「この、ちゃらんぽらん!」

と送った友だちからは、

「生まれたときから、ちゃらんぽらんやで~」



という、面白いメッセージ!怒ってんのか、怒ってないのか!グループLINEの他の友だちは、

「スマホを外にもっていかないなんて、『すげ~な!』のスタンプ」


ぼくは、「ごめん」よりも、真っ先に、「友だちってええな~」

と返したのでした!

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