来世は刺激が欲しいとは言いましたけども!

九条 うぇる

第1話 転生

俺は石田 陽彩 今年25歳になるってのに嫁も彼女もろくにできたこともない、まあ俗にいう負け組ってやつさ。

「あーあ、今日も仕事めんどくせえな~、国のお偉いさんの中には寝てるだけで金が入ってくる奴もいるらしいよな、なんの為に働いてるのか分っかんねえや。」

などと口を滑らせてはいるが、意外と仕事はできるし金はある。

え、なんでかって? そんなの使う相手がいねえからだよ。

いっそ有り金全部使って贅沢して海外にでも行ってみようかな。

思い立ったら即行動だ、俺が唯一自慢できるもの

そう、それは驚くほどの行動力だ。

次の日にはもう空港に来ていた。

「よっしゃー!飛行機もファーストクラスにしてやったぜ、向こうに着いたら

この溜まりに溜まった金を使って女遊びでもしてやるか。こんなぬかしたこと言えるのは最後かもしれないしな(笑)」


この時はまだあんなことが起きるなんて一ミリも想定していなかった。


俺は荷物チェックなどを済ませ、一目散に飛行機へと乗り込んだ。

「うわすっげー!これがファーストクラスってやつか、いやー想像以上だぜ。」

などと呟いていると

飛行機が離陸した。離陸後しばらく空の景色とワインを楽しんだ後、

俺は眠ってしまった。

俺が眠って数分が経った頃、俺は鼓膜が破れそうなほどの爆発音と共に

目を覚ました。

「な、なにがあった!」横に伏せているCAさんに問いかけた。「…」

何も反応がない。

この時俺はすぐに状況を理解した。

「あーあ、俺もう死んじまうんだな、最高に下らん、最高に刺激のない人生だったぜ。来世は刺激にあふれた人生を歩みたいな…」

俺は身体のほとんどが爆発によって吹き飛んでしまっていた。

誰かが飛行機に爆弾を仕掛けていたらしい。

おいおいもう少し機体のチェックしっかりしておけよな。

そして俺は激痛と共に眠りについた。はずなんだが、あれ?光が見える、身体もある、なにが起きているんだ。

??「やぁやぁ、君は確かすっごーい刺激を求めているんだっけ?そんな君にちょうどいい世界があるのだよ。どうどう?気になるでしょ!」

自分の顔を覗き込むように綺麗な少年?いや少女の顔があった。

「うわあああ!」俺は謎の少女に驚き跳び上がった。

??「ぃってて…、起きて早々頭突きはひどいよ!」

少女はおでこを赤らめながら言った。

「いや、しょうがないだろ!お前だって怖いだろ!

起きた時知らないやつが覗き込んでたら!」

??「それは、確かに…って、そんな話してる場合じゃない!君は今、死後の世界にいるのだよ。それでね、ボクはここの管理人をしている、君の世界でいう『神』ってやつだね!早速だけど君、世界を救ってみたくないかい?」

神?何言ってんだこいつ、今の頭突きで頭いかれちまったのか?

いや、でも確かに俺は死んだはずだ、吹き飛んだ身体も元に戻ってる。もしかして、

ガチなのか?!こ、こいつ神なのか?!いや、でも。

「世界を救うだと?こんなまともに女性の一人すら攻略できない俺が世界を救うだって?いやいやぜっったいに無理だね!」

??「絶対大丈夫さ、もし、君が救いに行ってくれるのならどんな願いも二つだけ

叶えてあげる。モテたいならイケメンにしてあげてもいいんだよ?」

「いやー最初から行こうと思ってたんだよ~、でも君が僕をイケメンにしてくれるって言うなら折角だからお願いするよー。あはははっ」

??「ふふっ、君面白いね!そう来なくっちゃ、じゃあとびっきりカッコ良くしてあげるね!……できた!おお!思っていたよりかっこよくなっちゃった。」

「ええええ!!これが俺!?ほほーう、これは無双できそうだぞ。」

??「あと一つ願い事叶えられるけど、何かあるかい?」

「いや、今すぐには、ぱっと思いつかないな~。その願い事一つ

転生してから考えてもいいか?」

??「うん、かまわないよ!じゃあ準備もできたし、君を転生させちゃうね!ちなみにボクの名前はナギサ、君の次の人生を全力でサポートさせてもらうね!それじゃあ、刺激たっっぷりの異世界ライフ、楽しんでらっしゃーーい!」


                                   つづく




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