カクヨム②:短歌1首部門応募作 綴り

妖怪老人びーる男

第1話 田植え済み 豊作願う 田祈祷も 昔宴会 いま安否談

 6月半ば、今年は梅雨入りが遅れていますが、目前の田んぼではあちこちで機械によって田植えが行われており、人もまばらな風景です。爺さんが子供のころは、10数軒ある部落の大人や子供総出にて、ワイワイとにぎやかに手植えしておりました。

 それに伴い全戸の田植えが済むと、隣村などとも合同で豊作を願う「田祈祷」神事が行われて、飲めや歌えの大宴会だったのを記憶しています。今では、何処も少子高齢化にて普段でも顔をあわせることが減っており、飲み食いはしますが、ほとんどは近況報告と「誰それが亡くなったとばい」とか「どこそこの施設で寝たきりのごたる」などと語るのみです。それでも、楽しいことに変わりはないとですが・・・。

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