天まで届け! この想い!
ゆる弥
第1話 仏壇へ上げる物
最近、また自分の近くで人が亡くなった。
その人は母の仲のいい友達。
去年、父が亡くなり、元気になってきたと思ったのだが、また身近な人がなくなってしまった。
そのかたを追悼しつつ、亡くなった人たちは今こうしているといいなぁという想いを綴ろうと思う。
◇◆◇
今日は妹家族が実家へ遊びに来ていた。
そういう時は、自分達も遊びに行き、交流することにしている。
夜になると決まって妹の旦那と晩酌する。
「今日もこれ買ってきたから飲もうか」
俺は星の付いたビール缶を妹旦那へ差し出す。
「ありがとうございます」
ビールを受け取ったことを確認すると、仏壇へもビールを上げる。
チーンと甲高い音を鳴らして両手を合わせた。
(お父さん、喜んでくれてるかな? 一本しかないけど、ごめんね)
「よしっ! 飲むか! かんぱーい!」
俺達は缶をぶつけ合い一気に胃へ流していく。
「……んぐっ。カァー! うまい!」
「うまいですねぇ」
「なんか最近これがうまく感じるんだよなぁ」
俺はいつも違う銘柄のビールが好きだったのだが。
最近は父が好きな銘柄を好きになり始めていた。
だが、それは俺だけではないようだ。
「自分もこれ好きですねぇ」
「なんかうまいよね!」
こういう時は飲みすぎてしまうもの。
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