ファイブサバイバル

額田兼続

プロローグI ルール説明

西村にしむらさとるは、引きこもって今日もゲーム実況をやっていた。

「サトルのゲーム室」というチャンネルでやっていて、最近人気のチャンネルだ。一週間前、登録者5000万人を超えたのだ。

また覚は相談にも乗ったりする。

今日は相談コーナーをコメントに設置しながら人気RPG「レジェンズIX」を生実況だ。

コメントが来た。


{りるるんのゲーム実況}

サトルさん!私の兄が突如消えました!ゲームじゃなくて現実です!


「おいりるるん、どういう事だ?」

覚はモンスター「ゾンビスライム」を倒しながら怪訝そうに聞く。

りるるんとは、覚の同期で、よくコラボもする実況者だ。登録者は4999万人。あと100人程登録すれば覚と同じく5000万人だ。


{山田}

俺の友人がが今目の前で消えた。同じ犯人か?


{アリセちゃん大好き石巻さん}

私の妹も消えました!サトルさんの家族はどうですか?


「俺は一人暮らしだからわかんねぇ。連絡はつくのか?」

もう一体のゾンビスライムから攻撃を受け、ゾンビ化状態になってしまった。

「くっそぉ!で、連絡つくな-」


覚は突然消えてしまった。

画面上ではヘッドホンが空中に置き去られ、虚しく椅子の上に音を立てて椅子の上に落ちた。

コメント欄は大騒ぎだ。



「…っ」

先程ゲーム実況をやっていた覚は、森の中で激しい痛みに耐えながら目を開けた。

覚は消えた直後、森の中に放り投げられたのだ。

覚は痛みに耐えながら立ち上がる。

(どこなんだ、ここは…)

そう思いながら辺りを見渡す。

『参加者が全員揃いましたので、これより開会式を行います。参加者-この放送が聞こえている方々は表示される矢印の方へお進みください。なお、従わなかった場合は殺されますので』

頭の中で、念話のような声が聞こえた。女性の声だ。

下手に動いて死ぬよりはマシと思った覚は、矢印に従い進むと、巨大な噴水がある大広場の様な場所に辿り着いた。

『ようこそお越しくださいました。選ばれた5000人のプレイヤー方』

噴水のてっぺんに置かれたスピーカーから先程の声が聞こえた。

さっきと同じ女性の声。

「どうなってんだ!?」

「私達をどうする気!?」

『さて。皆さんかなり慌てておりますが、私はゲームマスター、〈サナ〉です。これより、〈ファイブゲーム〉を開始します』

そう話した口調はとても楽しそうだった。

『ルールは簡単。今から皆様にはをしていただきます』

「こ…殺し合い!?」

覚の口から声が漏れてしまった。

他の人も騒いでいる。

『生き残れるのは五人。制限時間はございません。殺し方は自由です』

淡々と話し続けるサナ。

覚はそんなサナは正気なのかと思ってしまった。

『生き残った五名様には、何でも貰える事とします』

「なんでも…」

「じゃあ俺は世界征服」

「やめろ」

まだまだ騒がしい。

『但し、生き残れなかった方には、『死』が待ち受けています』

そうだろうとは思っていたに違いないが、絶望した顔を見せた5000人を見て、サナがクスッと笑った音がした。

『今から、〈ミニゲーム〉をやって頂きます。ミニゲームで稼いだ金は後程重要となってきますので、頑張ってください』

それを言われた直後、覚の意識は急に飛んだ。

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ファイブサバイバル 額田兼続 @Nekofuwa-jarashi

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