ゆうかの話
(8)
若松くん、もうメール送らないでってどういうことですか?
(9)
わかってないって何?
白月くんの友達だった若松くんから見たら、そうなのかな?
でもさ、若松くんも白月くんの幽霊、見てないんでしょ?
(10)
ねぇ、若松くんはさ、何かないの?自分がした体験
他人の幽霊話ばっかり集めて、それでミウくんのこと何かわかるつもりなんですか?
いや、ごめんね?
別に、責めてるわけじゃないんだよ
会えてないのはしょうがないもんね
でも、会えてないのに自分が一番の理解者だみたいな顔、なんだろう、どういう根拠で出来るのかなって笑
(11)
返信してください
(12)
返信してください
(13)
返信して
(14)
若松くん!お返事ありがとう!
私もなんだか感情的になっちゃってたね。本当にごめんなさい
別に本当に、若松くんを責めたかったわけじゃないんだよ
ただ、かわいそうだなって
片親の子って、想像力がどうしても両親に育てられた人と比べて少ないんだって、教育関係のブログで読んだことあるんだけど
だから若松くんも、そういう風に強く思い込んじゃうとか、そういう境遇のせいでの特性だと思うから
だから私の配慮が足りなかったよね。本当にごめん
あのね、でもね?
若松くんは、何か白月くんのために行動してる?
友達だから呪われることはないんだろうねきっと、でもさ
呪われないだけで、許されてるだけで、もう興味を持たれてないかもしれないよ?
言葉選びが難しいんだけどさ、やっぱり白月くんのために何にもしないで、ただ見た人の記録を追うだけってダメかなって思うっていうか、これは単純にアドバイスなんだけど
白月くんって、生きてた頃から色々苦しんでたっぽいって言ってたじゃん?若松くんが、オレは色んなミウくんのこと知ってるよーって、教えてくれたこと
ああいうこと聞けたから、怒らせちゃったのもかえって良かったのかもね。いや、別に君を傷つけてしまったことを正当化しているわけじゃないんだけど、
それで、だからさ
なんていうんだろう、多分白月くんの苦しい気持ちを見ないフリした、そういう境遇の人を平気で透明化できる(透明化ってわかるかな?)
そういう人たちを、きっと白月くんは許せないんだと思うから、だからさ
私たちも白月くんの意思を受け取って行動しないと
あのね。
あのね、私
ふゆむちゃんに、そんなに口から砂利が出てくるなら、しめて絞り出しちゃえばいいじゃんって言ったんだよ
それからね、美智香ちゃんにもさ、目が疲れた時とか、一回目玉外して疲れの元?みたいなのを洗い流したくなる時あるよねって、だから美智香ちゃんも顔の中のもの一回切って出してまた縫ったらって、言ったんだよ
別に、やれって脅したわけじゃないしさ
ていうか冷静な精神状態だったら普通そんなこと言われても実行しないよね
なのに、本当にそんなこと実際にやるとかさ
ちょっと考えたらわかることなのに
きっとよっぽど頭が悪かったのか
よっぽど追い詰められてたんだろうね(笑)
たいして不幸でもないくせに、
白月くんを助けようともしなかったくせに
死にたい人の気持ちに共感なんかできないくせに
苦しいです見たいな顔して
死にたいです死んじゃいますみたいな顔して
母親の彼氏さんに犯されたこともない女がさ、一丁前に悲劇のヒロイン気取ってるの、なんていうか、ある意味可哀想だよね。苦しいこととか辛いことの底が浅いと、幽霊ごときで死にたくなっちゃうんだね
私だってミウくんの幽霊見たいのに
ずるい
私だって私の方がずっと見たいのに
なのにミウくんの幽霊が、あんな素敵な人の幽霊が、あいつらにとっては怖くて意味わかんなくてムカつくものなんてさ、だったら
ミウくんのこと好きだった私のとこに来てくれたらいいじゃん
引っ掻き傷、本当に嬉しかった
今日は
今日このメールを送る少し前にはですね
太ももに引っ掻き傷がついていてんだよ
意味は誘惑だって(キャー!!(*≧∀≦*))
私ね、
私、ずうっと恋愛って怖くて、でも憧れがあってね
女の子って、かっこいい男の子とえっちして、可愛い子供産むのがいちばんの幸せだって思う
そのために
そのために私のお母さんだって、私のこと、かっこいい男の人と一緒にいるために差し出したんだと思う
女って怖いよね
女の人って本当、自分のことばっかり
でも、それでもやっぱり私も女の子だからわかるなって思うところはあって
ああでも、だからって私はミウくんに気に入られたくて誰かを差し出したりしないけどさ
2人の背中をちょっと押したのは、気に入られたくて差し出したんじゃなくて、ミウくんの目的を手伝いたかったからだもん
私って、結構尽くすタイプなんだよね(笑)
あのね、つまりだらだら何が言いたいのかっていうとさ
その、若松くんのこと傷つけるかもしれないんだけど
私、ミウくんの赤ちゃん産めるよ?
女だから、赤ちゃんのお部屋あるから
若松くんは、出来るのかな?
ねぇ、別に君に聞くことでもないんだけど
私もミウくんって呼んでいいよね?
(15)
今は、ミウくんの赤ちゃん産むために、準備をしています。初めて痛がったりしたら、めんどくさいって思われちゃいそうだし
(16)
おーい、返事くださーい
メモ:黙れ
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます