いけいけ勇者様81

最上司叉

第1話

【うわぁぁぁあ】


「…?」


勇者は夜中の騒ぎで起きた。


「…なんだ?」


「勇者様早く来て!」


「た…助けてくれ!」


外から誰かの叫び声が聞こえる。


勇者は急いでベッドから飛び起き身支度を整え外に向かう。


玄関のドアにさしかかった頃勇者の仲間たちも自分たちの部屋から急いで走ってきた。


「何事だ!」


「分からないがこの街が攻められてる!」


勇者の仲間の魔法使いは勇者たちに自作の薬を渡して自室へ向かう。


「頼んだぞ!」


「あぁ!任せとけ!行くぞ!!」


【ガチャッ!】


「…何だこれは!」


勇者たちが玄関の扉を開くとソコは地獄だった。


家屋は火をつけられ道には怪我人が溢れかえっている。


「…ゆ…しゃ…」


「喋るな!しっかりしろ!今薬を!」


「…だ…いじょ…ぶ…や…つ…は……お…ま……え………」


「!」


街の住人の1人が言いかけながら息を引き取った。


勇者は怒りに燃え上がる。


誰だ


誰がこんなことを


なんの為に


「…」


魔王が勇者を心配そうに見つめている。


「魔王…」


「うん…」


「行くぞ…」


「うん…!」


勇者と仲間たちは戦闘音の聞こえる方へ急ぐ。


「うらあああ!」


「た…助け…」


【ザシャッ】


「オラどんどん殺せ!」


【ヒュンッ】


【ドガアアアン】


「隊長!」


「何が起きた!」


【ヒュンッ】


「た…い…ちょ……」


「…!!」


【ザシュッ】


「カハッ…!」


「街の人たちを殺したのはお前か?」


「ふ…は…は…俺を…殺し…ても…あの方が!…」


【ザシャッ】


「…」


「大丈夫?」


「あぁ行くぞ…」


「うん…」


勇者と仲間たちは手分けをして街の中にいる兵隊を倒した。


あの方が見つからない。


「…まさか!」


「どうしたの?」


「国王が危ない!」


「!」


「急ぐぞ!!」


王の間


「やれやれ困ったのう」


「ドラゴン族の女、そこを退け」


「それは出来んのう」


「ならば殺す」


「困ったのう」


【キィィィン】


「やれやれ痛いのう」


「我が剣を防ぐか」


「もっと手加減して欲しいのう」


「たわけたことを」


「やれやれ骨が折れるのう」


城の前の扉


【バタバタッ】


【ギィィ】


勇者と仲間たちは城の中に入る。


「?静かだな」


「あぁ」


見当違いか?と勇者が一瞬考えた時上から何かがエントランスに降り立った。


「来たか」


「お前があの方か?!」


「ならばどうした?」


「貴様だけは許さない!!」


【キィィィン】


剣と剣が激しくぶつかりあう。


「邪魔なのがいるな」


「手を出すな!!」


勇者は仲間たちにそう叫んだ。


「…」


「いい心掛けだ」


「!!」


【キィィィン】


そして戦いは始まった。

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