〜27〜ディアの首輪は特殊です。

「「いただきます」」

そう言い二人はテーブルに持ってきたチャーハンをガツガツ食べ始める。



食べた瞬間にふんわりとしたクルッカーの卵にパラパラのご飯、ネギやニンニクなどの薬味が味を引き立てている。

そこに秘伝のタレがコクを出している。

それに便乗してゴロゴロのチャーシューが口の中を凱旋する。


とても美味しい。

「我もこんなものは食べたことがないぞ……!! 前はレッドドラゴンをブレスで焼いて丸呑みしたりしておったわ」


「レッドドラゴンの焼き肉になってそう。それもそれでいいね」

ドラゴンは絶品で美味しいと聞くがレッサードラゴンも食べてみたかったなー。

高級料理なんかにはグリーンドラゴンが出たり、王室などの一部の人はレッドドラゴンや、ブルードラゴンなどを食べたことがあるんだとか……。


レアに焼かれたのが特に絶賛らしい。



そして食べているとすぐに食べ終えてしまう。

「この残りは食べてもいいのか?」

チャーハンをお弁当に詰めている時にディアが聞いてきた。


「明日のお弁当が無くなってもいいのならいいよ?」

「むむっ……しょうがない、我慢してやろう……」

ディアもお弁当を作っていて一緒に授業を受けたりしている。


クラスでもディアは人気で喋るわけにもいかないので【念話】で会話をしている。

ちゃんと琉偉さん達のをジャミングしないと聞いてくるから気をつけよう。


「お主はスキルをいくつ持っているのだ?」


皿洗いをしているとディアからそう聞かれる。

「詳しくはわからないけど、1200個くらい? 全部レベルは2以上だからね」

「それで頭ははち切れんのか?! 普通だったら20が限界だぞ!!」


まぁそうなんだよね。

みんなは20個が最大だけど一部の黒子は無限に取り込めてしまう。

その一人が僕、兄さんや黒子師匠だってそうだ。


そのつながりも気になっているんだよね。

何かあるのは確定なんだけど、考えてもわからない。


前にも兄さんに聞いたことがあるけどその時ではないって言って教えてくれなかった。

その時がいつかもわからないしどうすればいいのだろう……?



皿洗いを終えた頃、ちょうどカバンを作ってから二時間程度経っているのに気づく。

カバンを見て時間経過で効果が消えるかどうかをみないとな、これで効果がていたら洒落にならない。


そうしてカバンに手を入れるがさっきと同様に肘まで入る程度。

効果は切れていなさそうだ。



あと気になるのは最近身体を動かすのが楽になったり、疲れないことだ。

ディアと戦った時に何か自分自身に効果を付け加えたのだろう。


あれ以来走って息が切れるのも少なくなってきた。

いつもの朝のランニング程度なら息が切れずに走り切れるのだ。


ずっと立っていても疲れないし多少の傷なら治ってしまう。

裁縫で怪我をしてしまった時も血がほんの一瞬で止まり塞がったのだ。


自分の本来の力はどれほどの能力があるのだろうか?

ディアをうごかさせないような毒、そんな毒は聞いたことがない。


記憶の中にあるのだろうが思い出せない。

全ての記憶が戻ったようではなく前世の一部の記憶だけのようだった。



プログラミング言語は多少なりとも記憶していて、コードを書けるようにはなった。

このプログラミング言語は特殊で前世の自分が作ったようだ。


プログラミング言語は何行も書かないと成立しないものが多いが、それを簡略化し簡単なものは一行でできてしまうのだ。

欠点はまだ使えるのが少なかったことと、一から覚えないといけないことだ。


他のプログラミング言語では代表的なもので言えばCというものだ。

ifなどといえば理解できる人も少なくは無いだろう。


それの上位互換とでもいうのだろう。

覚えればC言語よりは簡単に習得できるのも便利なところだ。


「これにディア入れるの?」


「やってみてやろう」

そう言いディアはすっぽり入る。

ディア専用になれるほど綺麗にはまっており、シンデレラフィットだと思う。

「出ないけど気に入ったの?」


「……まぁ悪くはない」

気に入ったみたいです。

しょうがないので『⚠︎ |Dragon is in the house.《ドラゴンが入っています》』と刺繍を入れておいた。

ディアは洗濯を欲している間もずっと入って出てこなかった。




======


そして次の日。

黒子はディアの首輪を買いに来ていた。


念の為、玄之が飼っているとしておくためと緊急用のものだ。

ちょっとお高めのかっこいいやつを買っておいた。


ディアと好きなのを見に行った時にこの赤い首輪を一目惚れしていた。

首輪に付けたプレートには所有者の名前やディアの名前、緊急電話番号などを彫ってもらった。


そしてここからは玄之が頑張らないといけないところで転移のプログラムを書かないといけないのだ。

内側に魔術媒体液のお高いやつで書込みをしないといけない。


安いやつで転移も使えることは確認済み。

この家に転移できるように設定した。


[Transfer activation #effect / transfer all those who entered the target, external magical power absorption #target / circular shape within 5 meters of the range #transfer point / *259.735.442*]


今回は長くて大変だったが、軽く光り始め上手くいったようだ。

外魔力という自然界が生み出す魔力を吸い、それを糧として転移させるというものだ。


使い切りではないので一度試すことにする。

外に出て転移を発動させる。


5秒ほどした後に玄之の部屋へついた。

ディアとやっても行けるようで人数も魔力があるかどうかと、範囲内という二つの条件をクリアしているなら転移ができるようだ。


持っているだけで外魔力を吸収するので気長に貯まるのを待とう。

ディアにもちゃんと使い方を教えて、後ろに説明書が入ったちっちゃな筒を付けておく。




非常時はこれで安心だろう。

ディアには煜さん達のパーティー仲間として頑張ってもらおう。


==========

読んでいただきありがとうございます。


面白ければ★★★、面白くなければ★。


♡もつけていただけると幸いです。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る