いかにして書き手として「成長」するか

雨宮 徹

いかにして書き手として「成長」するか

 カクヨムの創作論は「いかにしてPVを稼ぐか」「どうすれば★がもらえるか」しか扱っていないと思ったので、書き手としての「成長」について、個人的な見解を書きます。また、一般論に近いです。




 結論から書きます。

■初心者は質より量

■人気作品を読む

■全ジャンルを書いてみる

■中長編は完結させる




 初心者の方は量を優先しましょう。質を求めると、書けなくなります。「失敗は成長の母」という言葉があるように、失敗を恐れては成長できません。


 まずは書く。書く量は多くなくていいです。1000字程度のショートショートでもいいです。オチを気にするのはまだ早いです。「オチを気にする=質を気にする」とも言えます。繰り返しになりますが、「ひとまず書く」のが重要です。




 書き手として成長したい方は「読む」も大事にしましょう。読者視点を持つことも重要だからです。書きたいジャンルの週間ランキング作のトップ10くらいが目安です。全話読む必要はありません。最初の数話でも大丈夫です。


 「書く」という行為はアウトプットです。「読む」というインプットがなければ成長できません。アウトプットとインプットのサイクルを回しましょう。これは初心者以外の方にも言えます。




 ひとまず全ジャンル書きましょう。これも「失敗は成長の母」です。別にウケなくてもいいのです。経験値を貯めるのが目的です。ですから、長さは関係ありません。むしろ、短編の方がおすすめです。


 ここで注意したいのは「好きなジャンル=得意なジャンル」ではない可能性があることです。全ジャンルを書く意味はここにもあります。好きなジャンルを書くか得意なジャンルを書くかはお好みです。私の場合はミステリーが好きですが、歴史の方が得意です。ミステリーはトリックを思いつくところから始まりますが、歴史はすでにストーリーがあります。そういった意味で歴史改変は初心者でも書きやすいかもしれません。ただ、紹介文に「歴史考証はネットレベルです」と断り書きをするのをおすすめします。そうしないと歴史マニアからツッコミが入りお互い嫌な気分になると思います。




 最後に。中長編は完結させましょう。小説は最後まで書き切って初めて経験値になります。読者のためではなく、自身のためにもエタるのはやめましょう。




 ここからは「成長のその先へ」です。web小説全般について、個人的な考えです。結論から書きます。


■予約投稿機能があるなら使う

■読者への「負荷」を極力減らす

■中長編で完結したなら、【完結】とタイトルに書く

■脱テンプレを目指す(歴史ジャンル)




 まず、予約投稿について。この機能があるweb小説サイト(アルファポリスなど)では積極的に使いましょう。カクヨムに特化するなら、次の点を意識しましょう。


・予約投稿をすることでエタらないという安心感を読者に与える。「◯話更新予定」とも表示されるため。

・予約投稿時間は◯時ジャストにしない。ジャストだと、他の作品に埋もれます。「6:02」など、少しずらしましょう。



 読者への「負荷」を減らす、これも大事です。一般的(特に異世界ファンタジーで)に、鬱展開や負けエピソードは好まれません(ホラーやミステリーを除く)。web小説で「成り上がる」「ざまあ」「無双」などが好まれるのは「負荷」が少ないからです。通勤などの貴重な時間で嫌な思いをしたい方はいません。もし、負けイベントを入れる必要があるならば、そのエピソードの最後に主人公が成長することを仄めかしましょう。「負けイベントは一話で完結する」を意識しましょう。



 中長編の場合、完結したらタイトルに【完結】とつけるのがおすすめです。カクヨムの場合、完結か連載中かは分かりにくいです。かなり表示が小さいです。読者がエタる可能性のある小説は読むのを避ける可能性もあります。また、冒頭で書いた「中長編は完結する」というのは、読者の信頼を得る意味もあります。過去に小説でエタった作者の作品は読まれない可能性もあります(そこまでする読者は少ないと思いますが)。



 最後に脱テンプレについて。これは歴史ジャンル限定の話です。それ以外の方は読み飛ばして大丈夫です。


 歴史ジャンルは転生して、知識でチートするものが多いです(ここまでは異世界ファンタジーでも同じです)。ここで一つの制約が発生します。のです。しかし、歴史ジャンルのメリットはところです。異世界ファンタジーのように、最初からキャラメイクする必要はありません。


 web小説では「視点移動があると感情移入できないので、避けるべし」と言われます。それは絶対ではないと思います。人物が知識チートするのではなく、国単位で成り上がるのもありだと思うのです。他の方の作品を取り上げると面倒なことになりそうなので、拙作を例にします。


『大日本帝国、アラスカを購入して無双する』

https://kakuyomu.jp/works/16818093077601861143


 この作品では、特定の人物が知識チートするのではなく、「本来、アメリカが買うはずだったアラスカを日本が購入して無双する」という内容です。本作では下記の手段を使って視点切り替えを行なっています。


「【伊藤博文】サブタイトル」


 こうすれば「伊藤博文視点なのね」と読者に明示できます。デメリットとしては一話あたり1500文字程度が限界な点です。ただ、この創作論を読んでいる方は「成長」を目指している(リワード目的ではない)ので、一つの手法として一考の余地があります。簡単に言えば、「歴史ジャンルの強みを活かしましょう」です。あくまで提案なので、試す、試さないは自由です。





 と、ここまで私の考え得る創作論を書いたので、宣伝をしてもバチは当たらないでしょう。


『転生したらジャンヌダルクでした。神のお告げを無視してスローライフを目指します』

https://kakuyomu.jp/works/16818093078599494317


 歴史ジャンルは知識チートで無双するものが多いです。本作では、ジャンヌダルクに転生した主人公にスローライフを送ってもらいます。知識チートがすべてではないというのも持論です。


 

 先に例として取り上げた「アラスカを購入して無双する」は週間ランキングで3位までいったので、一定の成果は出しています。無双するのであれば、国単位でもいいという一つの例だと思います。



 これ以上、創作論としては書けないので、この辺で終わりにします。何か思いつきがあれば追記します。



追記

 chatGPTを使ったことがない人は一度使ってみましょう。あくまでも、「ストーリーに穴がないか」「プロットが矛盾していないか」です。優秀な編集者になります。あとは「この時代に◯◯はあったか」などの用途です。ググるより早いです。正確さは要検証ですが。

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いかにして書き手として「成長」するか 雨宮 徹 @AmemiyaTooru1993

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