第7話 団子

ホストH ⑦


串刺し団子を箸で食べる

オーナーのマサナはそういう男だった

C子はこれが好きではなかった


マサナはホスト達や従業員に口うるさく言う方ではなかったが、箸の持ち方の指導だけは徹底した


団子を串のまま食べたかった


C子はマサナと10年の交際をした

40歳になっていた

所帯の文字を辞書から消した男に将来の展望が描けなくなったC子は別離の決意を固めた


事実婚の状態かと思っていたが、男はそれさえも否定した

蝙蝠の如く闇を疾風するホストオーナーには、婚に汲み入る状態は己の生命力を弱体化させる溺れと捉えていた


若い頃は奔放だったが、几帳面で潔癖の気がある男だった

年齢を重ねるごとに細かく拘る傾向は強まっていった


C子は荷物を整理して整えた

1kmほど距離のある饅頭屋に行って鮮やかな3色団子も買った


・・・・・


クウハと不倫をしているA子

ユウマの恋人B子

C子

D子とE子を加えて・


オーナーマサナを筆頭に

ホストHは変革を迫られる


1つの柱はホストのパシリのロック


もう一つの勢力が立つ

ABCDE

C子が中心となって変革を迫る


後にこの女勢力は

カクテルアルファベットと名付けられた


・・・・・


別れも告げず手紙も残さず

会わずに行くつもりだ


戌の刻になって


団子を右手で持ち上げ

串刺し団子をそのまま

喰らった


ピンクと白を食べて、緑だけ食べずに家を出た

夫婦愛の花言葉を意図して置いて草色団子を訣品とした

幼き日に道すがら嚙ったヨモギの味を想い出したら、冒険心が奮ってまた走り出せる気がした

また、バーテンダーを始めるつもりだ



#HAMIRU

#マサナ

#C子

#ホストH

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