第6話 ホストH 短髪のユウマ
短髪のユウマ
「ご飯できたよ」
「おっハンバーグ。うまそう。
・
ハンバーグ!!」
ユウマにはB子という彼女がいた
ユウマより4つ若い28歳だった
2年前の暇つぶしのナンパが
二人を恋人関係に連れ出した
「うまい、うまい」
「ほら、ゆっくり食べなよ」
「ははっ、ハンバーグ」
ユウマは金に困って
B子の家に転がり込んでいた
同棲生活だった
B子は会社員だ
ユウマはホスト稼業で
それなりの収入があったが
手持ちの金はほとんどなく
B子から金を借りることもしばしばあった
B子も特別裕福ではないから
二人とっては
金の問題は愛の問いよりも難易度が高かった
ユウマは金の回収に甘さがあった
売掛金に対して女を詰めきれず見逃してしまう
自分の給料をそれに充てるものだから、
月によっては稼ぎが手元に残らなかった
ギリギリで女をドブに落とす手がチビル
同僚で無愛のクウハなんかは、あっけなく女の背中を押して突き落とすからその勇気が羨ましかった
臆病は優しいと形容された
人参、じゃが芋、ほうれんそう
「蓮根うまい」
「うん」
B子の付け合わせは蓮根だった
「蓮根うまい」
「うん、ユウちゃん蓮の花って知ってる?」
「ハス?どんなんだっけ」
「キレイな、神聖とか純粋とかの象徴とされるんだって」
「蓮根って蓮か?」
「蓮の茎部分」
「そうか」
「うん、木蓮の花とかも蓮に似てることが由来なんだって」
「そうなのか、有名な歌あったな」
「うん」
「ん?神聖?純粋?」
「うん」
「食べちまった」
「うん?」
「俺みたいのが神聖とか純粋とかさ」
「あはは、考え過ぎだよ。たくさん食べればそうなれるかもよ」
「俺が神聖かよ。参ったな」
「牧師さんでもやってみる?」
「えっ」
「なんでもない」
「牧師・・・
なあ、牧師と神父ってなにが違うんだ」
「えっ、わかんない。宗派とか?」
「ふーん」
「ふーん」
「蓮根ある?」
「うん、あるよ」
短髪のユウマ
32歳
おかわり
#ユウマ
#B子
#ホストH
ホストH ハミル @hamiru0815
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。ホストHの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます